【書評・要約】新任マネージャーにおすすめ!『リーダー1年目のマネジメント大全』
某ITメガベンチャーでマネージャーをしている若狭です。数年間マネージャー職をしていますが改めて初心に返るために、新任マネージャー向けの書籍『リーダー1年目のマネジメント大全』を読みました。
リーダー1年目って初めての経験も多いし、悩みも多いと思います。実際に私の周りでもメンバー時代は優れた成績を収めていた人でもマネージャーになって思うように成果が出せなかったり、思い詰めて潰れてしまった人も何人かいました。本書はスキル、考え方、メンタルなど幅広い内容に触れられており結構良い内容だったので本記事ではメモがてらポイントをまとめたいと思います。(端的に言って、自分がリーダー1年目のときに読みたかった!)
マネージャーやリーダーになりたての人に特におすすめの書籍です!ぜひ参考にしてください^^
※本書は「管理職のおすすめ本ランキング22冊!マネジメントを勉強しよう」や「リーダーシップのおすすめ本・良書(定番、チーム作り、管理職など)」でも紹介しています^^
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『リーダー1年目のマネジメント大全』とは?
本書は「リーダー1年目のマネジメント大全」というビジネス書です。
本書は新任リーダー向けに成果の最大化と人材育成をテーマとした実践的なマネジメント本です。この本では、リーダーシップとマネジメントのバランスや、チーム運営における効果的な方法など、マネージャーに必要なスキルや考え方を網羅的に解説しています。内容は、マインドセットからチームビルディング、セルフマネジメント、メンタルケアに至るまで、7つの分野に分かれており、イラストや図解を用いてわかりやすく説明されています。特に初めてリーダーになった際の不安や課題に焦点を当て、実践的なアドバイスやスキルが紹介されている良書です!
▼書籍概要
書籍名 | リーダー1年目のマネジメント大全 |
対象者 | リーダーやマネージャーなどの管理職になったばかりの人向け |
ひとこと説明 | 初めてリーダーやマネージャーになって不安でいっぱいのあなたに向けて、マインドセット/メンバー/チーム/ビジネス/サイクル/セルフ/メンタルの7分野に分けてイラスト付きでわかりやすく解説! |
著者 | 木部 智之 |
発売日 | 2024/4/25 |
ページ数 | 264ページ |
出版社 | 三笠書房 |
中身(目次) | 序 章 リーダーになったあなたへ…マネジメント以前に大切な「心がまえ」の話 第1章 メンバー・マネジメント…一人ひとりの「成長意欲」を刺激する 第2章 チーム・マネジメント…方向性を示し、力を合わせて「ゴール」をめざす 第3章 ビジネス・マネジメント…「成果を最大化する戦略」を実行する 第4章 サイクル・マネジメント…組織の「運営周期」を理解し、先手で仕事を設計する 第5章 メンタル・マネジメント…成果を上げるリーダーの「心」の防衛術 第6章 セルフ・マネジメント…自分自身を磨き続け、キャリアアップする技術 第7章 モデルケース…優秀なリーダー/残念なリーダーは何が違うのか? |
読んだ人のクチコミ | ・今年から始めてリーダー職を経験したのですが、右も左もわかりませんでした。そんなときに羅針盤として本書が役に立ちました! ・リーダーはある程度仕事ができるし、メンタルも強いと思われているので、あまり人に頼ることができず気が張り詰めていたのですが、「責任をそこまで感じる必要はない」という本書の言葉に救われました>< ・年上メンバーの扱いに困っているのですが、「リスペクトを持つ」という本書のアドバイスに沿ってコミュニケーションをしてみようと思いました |
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本書を読んだ読書メモ
ここからは本書を読んで重要だと思ったポイント、心に留めておきたいと思ったことを章毎に箇条書きで記載していきます!
導入〜はじめてリーダーになったあなたへ〜
リーダー1年目って思うように成果が出せなかったりプレッシャーを感じることも多いと思います。ですが、あなたが組織の中で優秀だと認められたからこそ、リーダーという大きな仕事を任されている。これは忘れないようにしておきたい考えだと思いました!
- リーダーがマネジメントする4つの対象
- メンバーマネジメント:メンバーへの仕事の割り振り、育成、キャリア支援、メンタルケアなど
- チームマネジメント:仕事のアサイン、チームビルディングなど
- ビジネスマネジメント:戦略立案、実行、進捗管理など
- セルフマネジメント(自分自身):リーダーとしての成長、キャリアアップなど
- 優れたリーダーは決して「偉そう」にしない
- リーダーは「組織運営上の役割」にすぎない
- リーダーに選ばれたということは、あなたが組織の中で優秀な人材であるということ。誰にでも任せられるポジションではない。「選ばれたあなた」に与えられたチャンスである。
メンバーマネジメント
リーダーとしてのまずいちばん最初に変わる仕事が「メンバーマネジメント」です。本書でもボリュームを割いて説明されていました。
- メンバーのタイプを大まかに把握する
- メンバーからの相談は「聞き切る」。メンバーの相談・質問に応えるのはリーダーの重要な仕事。
- 1on1で話すこと
- 業務で悩んでいること、働き方について、リーダーに希望すること、今の仕事でチャレンジしたいこと、強みや長所、やりがいを感じること、将来的なキャリア目標、など
- 年上メンバーには気持ちよく仕事してもらう。「リスペクト」をする。素直に「いろいろ教えて下さい!助けてください!」と頼りにしてしまう
- リーダーもちゃんと休むこと。そして休みに引け目を感じたり表にださないこと。メンバーが休みづらくなってしまうため
- 仕事を任せるときは「Whyから伝える」
- Why(なぜ)→How(どうやって)→What(なにを)の順で伝える背景、目的、位置づけを伝えることでメンバーが創意工夫する余地が生まれる。Whatだけ伝えると「作業」になってしまう
- 仕事を任せたら途中でチェックポイントを刻む。出来上がってからチェックすることは避ける。
- 途中段階で何回かにわけて確認する。軌道修正ができる。
- 仕事を任せるのは放置することではない。
- メンバーの活躍、成果を出したメンバーをしっかり会社にアピールする。メンバーを昇進・昇給させる →モチベーションアップ
- 「自分で決める」機会を作ってあげる。決めることで成長スピードがあがる。また「説明」の機会もたくさん与える
- 小さな仕事でもメンバーが自分で決める機会を作ること。「考えて決める」ことが成長にとても重要
- メンバーが成長してくれると、リーダーがラクになる。メンバーが自分で考えて決められると、リーダー自信はより本質的な業務に集中できるし、よりチーム成果があがるはず。
- 「どうすればいいですか?」と聞かれたら→「どうするのが良いと思いますか?」と返す。考えてもらう逆質問をする。
- 「ストレッチ・アサイン」でチームとメンバーを成長させる
- 頑張ればなんとかできるぐらいのストレッチな難易度の業務を与えることで成長をさせる
- 小さな「成功体験」を積ませる。また、あえて失敗を経験させることも重要(ただし、失敗しても問題ない仕事でのみ)
- 「自分でやったほうが早い」をぐっと堪える、我慢する
- 自分でやったほうが早くてもやってはいけない。メンバーは成長しない、リーダーが忙しくなって本来の仕事ができない、結果としてチームの成果がでないし、ずっとリーダーが忙しいまま
チームマネジメント
次にリーダーは「チーム」もマネジメントしなくてはいけません。ここではチームを円滑に運営していくために必要なこころがけが載っています!
- メンバーに関する情報はストックしておく
- スキル、経験、キャリア目標、性格、趣味、特技、週末になにしてるか、好きなこと、嫌いなこと
- 組織は2-6-2で考える
- 上位2割に重要な仕事をアサインする。6割のパフォーマンスに気を配る(ここの成果がチームの成果を左右する)
- 他メンバーを助けることを奨励する。感謝をチーム全体の見えるところであえて伝える
- 報告は健全に「疑う」。必ずしもただしい報告が上がってくるとは限らない。
- 都合の悪い事実を吸い上げる質問をする(細かいことでもいいので課題や懸念事項、うまくいってないことはありますか?)
- バッドニュースを歓迎する
- デスクはきれいにしておく
- 決めなければチームは動かない
- 具体的な指示でチームを動かす。5W1Hを明確にして、メンバーが誤解したり疑問を持たずに動けるように伝える。「誰に」「何を」「いつまでに」やってほしいのか
- 会議はネクストアクションでクローズする。誰が、いつまでに、何をするのか、を決めて、参加者で合意をする
ビジネスマネジメント
リーダーはチームやメンバーをマネジメントして、ビジネスの成果を出さなければなりません。ここではビジネスで成果を出すための重要な考え方が学べます。
- チーム内のムダな仕事は生産性を下げる(時間のムダ、モチベーションの低下)。メンバーがムダだと思っていることを勇気を持ってやめてしまう。
- 仕事を「型」にする。テンプレート化、パターン化、マニュアル作成をして、全員で同じような品質を出せるようにする。資料や仕様書のテンプレ化なども
- 他部署にはギブをしまくる
- 成功した理由(成功要因)を振り返ることで、再現性を高める
サイクルマネジメント
リーダーになると常に先をみて仕事をすることが求められます。気づいたら1年間が終わってしまった、、、なんてことにもなりかねません。ちゃんと組織全体のサイクルにしたがって、自分のチームを動かせるように先へ先へというマインドで動きましょう!
- 組織の「運営サイクル」に合わせて仕事を設計する。どういうスパンで物事を考えて、どのタイミングで何をしていくのか。
- 1年間の運営サイクルを設計する。活動計画を作り組み込んでいく。また、その計画をメンバーにも共有して一緒に動いてもらう。
- 定期的な振り返りで計画の精度を上げる。何がうまくいかなかったのか、なぜうまくいかなかったのか(原因)、次回の改善点はなにか。振り返りのサイクルを設計し、次回に活かしていく。
- 常に「一歩先」を考えて仕事をする。年間カレンダーを見ると、未来をイメージしやすい
メンタルマネジメント
リーダーは必要以上にプレッシャーを感じることはないです。潰れてしまっては元も子もありません。
- ポジティブなリーダーが、ポジティブなチームを作る
- リーダーに課される「責任」を、深刻に受け止めすぎないこと
- どうせ大した責任なんてない。肩肘張らずに少し力を抜くぐらいがちょうどいい
- メンバーの一挙手一投足まで責任を持つ必要はない
- リーダーが一番優秀である必要はない
- リーダーはマネジメントで結果を出すべき
- 不平不満、悪口は言わない
- つらくなったら逃げてもいい。意図的に逃げる。リーダーのメンタルは誰も心配してくれない
- 自分の支えとなる言葉、名言をメモしておく
- リーダーにしか経験できない仕事、リーダーの醍醐味を味わう
- 経営に近い仕事、決定権限が増える、自分の理想のチームを作れる、成長機会が広がる、より大きな仕事ができる
セルフマネジメント
リーダー1年目のあなたはこれでキャリアのゴールではありません。ぜひリーダー・マネージャーとしての成果を出してさらなるキャリアアップ・ステップアップを目指してください!
- 1年目リーダーはキャリア階段の1段目
- リーダーの上司や先輩は、あなたにより大きな組織を任せられるか、リーダーとしての資質があるか、仕事ぶりを観察して見極めている
- リーダーの資質がある人とは、「ビジネスで成果が出せる」「組織をマネジメントできる」「人材育成ができる」
- これらの仕事はこの先のリーダーのキャリアでずっと必要になるスキル
- リーダーがボトルネックになってはいけない
- 実作業をやると、人や組織を動かすというマネジメント業務に時間を割けない。自分でやったほうが早くてもボールを持たないこと。
- メンバーに作業を割り当て、自分はサポート役に徹する。
- 仕事を「選択と集中」して、成果がでることだけやる
- 嫌われることに臆病になってはいけない。好かれることを目標にするとチームは弱体化する。チームの成果のために、リーダーとして正しいと思うことを貫くべき。そもそも正しいことをして、一貫性があれば、厳しくても嫌われることはない。(いい緊張感がある状態)
- できるリーダーは「ヒマであること」を目指す
- 自分のキャリアアップのために「次のリーダー」を育てる
- バトンを渡すメンバー候補を探しておく
- 2~3人候補がいるなら、補助的な機会を彼らに与えつつ、誰にバトンを渡すか見極める
- リーダーとしての仕事を少しずつ渡していく。コーチングしながらその仕事ができるように育てていく
- 次のポジションにいく準備をする。上位リーダーの仕事をシミュレーションする
- 明日突然次のポジションに昇進があるかもしれない。気持ち、勇気を持っておく。
- どういう仕事をしているか、判断基準はなにか、メンバーとの接し方、人材育成はどうしてるか、他部署とどう調整しているか、などを見て学ぶ
モデルケース(優秀なリーダー・残念なリーダーの違い)
- 優秀:自社視点ではなく、お客様視点で考える
- 優秀なリーダーは一貫して顧客視点で考える
- 残念:自部門の数字にしか興味がないリーダー
- 優秀:リーダー同士の評価会議でメンバーの活躍をアピールする
- メンバーの活躍に昇進で報いる
- 残念:ネガティブなリーダーは百害あって一利なし
- 優秀:絶対にあきらめない姿勢が圧倒的な成果を叩き出す
- 残念:逐一報告を求め、メンバーの時間を奪う
- 優秀:ステップアップしているリーダーは常に挑戦している
- 常に未知の領域に挑戦し、進化・成長している
さいごに
ここまでで本書で学んだことのメモをまとめてきました。ぜひ参考にしてください!
明日から(今日から)やっていく!