【書評・要約】『世界一流エンジニアの思考法』で生産性を高めよう!

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某ITメガベンチャーでマネージャーをしている若狭です。今回はエンジニア界隈で非常に人気がある書籍『世界一流エンジニアの思考法』を読みまして、とても良い内容だったので書評・要約記事を公開したいと思います!

やはり人気本だけあって内容がしっかりしていますし、著者がマイクロソフト出身者なので紹介されているエピソードが具体的ですし説得力を感じます。「もっと効率的にはたらいて、仕事の生産性を高めたい!」などと思っているビジネスマンにおすすめの一冊です^^

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『世界一流エンジニアの思考法』とは?

本書『世界一流エンジニアの思考法』は、マイクロソフトでエンジニアとして活躍する著者が、マイクロソフトで活躍している一流のエンジニアの思考法を明かしたものです。単なる技術的なスキルではなく、思考の習慣、時間管理、生産性向上のための具体的な手法を中心に取り上げています。特に「失敗から学ぶ」重要性や、効率を重視した仕事の進め方、無駄を省くための考え方が印象的です。エンジニアだけでなく、ビジネス全般で活躍する人にも応用可能な内容で、自己成長を目指す方にぜひ手に取ってもらいたい一冊です​!

※本書は「タスク管理・ToDo管理のおすすめ本・書籍ランキング〜定番、入門書など〜」「時間術・時間管理のおすすめ本〜定番本、仕事、人生など〜」「習慣化のおすすめ本〜定番本、ベストセラーやロングセラーなど〜」など様々な記事でも紹介している良書です^^

※同じマイクロソフト出身の著者の書籍ですと「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である」も非常におすすめ^^

▼書籍概要

書籍名世界一流エンジニアの思考法
対象レベルエンジニアに限らず、ビジネスで生産性向上を目指す中級以上のビジネスパーソンが最適です。特に、既にある程度の経験があり、さらなる成長や思考法の改革を目指している人に適しています。
ひとこと説明一流エンジニアの思考法を通して、生産性向上と効率化の秘訣を学べる一冊。挑戦と失敗を恐れずに成長するための実践的な指南書
著者牛尾 剛
発売日2023/10/23
ページ数272ページ
出版社文藝春秋
中身(目次)第1章 世界一流エンジニアは何が違うのだろう?―生産性の高さの秘密
第2章 アメリカで見つけたマインドセット―日本にいるときには気づかなかったこと
第3章 脳に余裕を生む情報整理・記憶術―ガチで才能のある同僚たちの極意
第4章 コミュニケーションの極意―伝え方・聞き方・ディスカッション
第5章 生産性を高めるチームビルディング―「サーバントリーダーシップ」「自己組織型チーム」へ
第6章 仕事と人生の質を高める生活習慣術―「タイムボックス」制から身体づくりまで
第7章 AI時代をどう生き残るか?―変化に即応する力と脱「批判文化」のすすめ
読んだ人のクチコミ・具体的な思考法や生産性の高め方が非常に参考になった。特に、フィードバックを歓迎する文化を作る重要性に気づかされた
・完璧主義を捨て、20%の仕事に集中する考え方は目から鱗。仕事の進め方を見直す良いきっかけになった
・読んでいて「自分の弱点を見透かされた」感覚を味わった。失敗を恐れず挑戦する姿勢を学べる
・エンジニアだけでなく、幅広いビジネスパーソンに適した内容。思考の整理と時間管理法が役立った
・経験を積んだ人ほど得られるものが多い。特に国際的な職場での生産性向上に共感できた

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本書の要約

ここでは『世界一流エンジニアの思考法』の要約を簡単にまとめます!

「世界一流エンジニアの思考法」は、マイクロソフトで活躍するエンジニアである牛尾剛氏が、世界トップクラスのエンジニアたちの思考や働き方をまとめた一冊です。著者は、国際的なチームにおける生産性向上の秘訣を、自身の経験をもとに解説しています。

世界一流エンジニアの生産性の高さは、特に「深い理解」「効果的な優先順位」「シンプルさの追求」に基づいています。まず、エンジニアたちは問題に対していきなり手を動かすのではなく、まず仮説を立て、データや事実を分析した上で行動します。これにより無駄な試行錯誤を避け、生産性を向上させます。さらに、理解に時間をかけることが重要であり、構造や背景をしっかり理解して応用可能な知識を得ることが推奨されます。これによって、同じ問題に直面した際にも素早く解決できる力が養われます。

また、「Be Lazy」という考え方を採用し、最小限の労力で最大の価値を生み出すことに重点を置きます。これは、20%の作業が80%の成果を生むという法則に基づき、価値の高い仕事に集中するため、無駄な作業を排除することを目指します。さらに、マルチタスクは避け、一つのタスクに集中することで効率を最大化します​。

本書を読んだ読書メモ

世界一流エンジニアはなぜ生産性が高いのか?

  • 一流はいきなり手を動かさない。事実・データを1つ見つける→仮説を立てる→その仮説を証明するために手を動かす。やみくもに試行錯誤したり思いつきで反射的に手を動かすのは時間のムダ。頭を使わないと次もまた同じことを繰り返してしまう。
  • どんなに頭の良い人でも理解には時間がかかる。時間をかけて基礎を積み重ねているので、理解していることが多いため、同じ課題が次にでてきてもスムーズに解決できる。
    • コピペやchat GPTに聞くことでその場のアウトプットは早くなるけど、理解をしてないと次に同じ作業をやるときもまたググったり調べることになる。より難しい問題への応用もできない
    • アメリカでは「専門性を高める」ことに価値が置かれる。スピードは思ったより重視されない。時間をかけて基礎や理解を積み重ねるほうが圧倒的に良いものが作れる。
  • 一流は理解に時間をかける
    • 理解の3要素「その構造をつかんで、人に説明できる」「いつでもどこでも即座に取り出して使える」「知見を踏まえて応用ができる」
    • 読み飛ばせそうなところでも、丁寧に時間をかけて背景、意図、数値、アーキテクチャ、構造、を理解する
    • 基礎練習は「誰でもできる」ことだが、「習得には時間がかかる」
    • あやふやな理解のままGoogle検索してSQLを書くのではなく、ちゃんと仕組みを理解して基礎から理解する。その場しのぎで解決しても次に繋がらない。時間をかけてゆっくり読んでも思ったより時間はかからないし、むしろ理解が深まるので効率的になる →プログラミング初歩の学習を「簡単だ」と馬鹿にせず、イチからやり直す
    • 理解は時間がかかるものとして、急がず、徹底的に理解する習慣をつける。それによって、圧倒的に試行錯誤が減って問題解決できるようになる。
  • 頭の中に「メンタルモデル」をつくる
  • 「Be Lazy(怠惰であれ)」というマインドセット。できるだけ最小の労力で価値を最大化する考え方。作業量を減らして、インパクトのあるものに集中する。
    • 望む結果を達成するために、最低限の努力をする
    • 不必要なもの、付加価値の低い仕事をやらない
    • 簡潔さを目指す
    • 優先順位をつける
    • 時間や努力よりも、アウトプットと生産性に重点を置く
    • 長時間労働をしない
  • 優先順位の考え方
    • 最も重要な1つをピックアップして、ほかはやらない20%の仕事が80%の価値をつくっている。一番重要なものに集中する。「物量」が少なくて、「価値」が高いものをやる。
  • 「いかにやることを減らすか?」に頭を使う。重要ではないことに時間を使わないこと。本当に必要なこと、価値があることだけに集中する。
    • 一番重要な1つだけピックアップする
    • 時間を固定して、その中でできることを最大化する
    • 準備、持ち帰りをやめて、その場で解決する
    • 物理的にやることを減らす →結果的に絶対的に重要なことにフォーカスできる
    • たくさんの物量をこなす=生産性が高い、ではない
    • 「楽に達成できる」計画で仕事をする。KPIは定時で無理なく達成できる程度のものにする。
    • 「無理・断る」練習をする。作業量も定時でできる量になるように調整する。
  • 詳細まで一言一句理解しようとせず、図や表を書いたりして「構造を理解する」。脳を使いすぎないこと。
  • 生産性とは「レベル1」をどれだけ増やすか
    • レベル1:何もググらずに即実践できる
    • レベル2:問題をどう解決するかは思いつくが、具体的な方法は忘れているので、ググる必要がある
    • レベル3:自分は解法を知らないが、スパイクソリューション(課題把握のための大まかなプログラム)をしたらできそうなもの
    • レベル4:自分だけでは解決が難しい、もしくはものすごく時間がかかるもの
  • 目先のアウトカムよりも、理解をしてレベル1を増やし、中長期的な生産性を上げる
    • ChatGPTに聞く、ググってなんとなくの理解で進める、コピペする、をしても、中身を理解できてないので、今後も同じように調べる必要がある
    • 理解に時間をかけて、すぐに取り出せるレベル1の状態をつくる
  • マルチタスクは生産性が最低なのでやらない。WIP=1にする。
    • どんなにすごい人でもはじめてのことや理解することには時間がかかる。焦らずに時間をかける。
    • 30分〜1時間の時間を決めて、そのこと「だけ」に取り組む。他のことは一切せずに集中する
    • マルチタスクは生産性が40%低下、時間が50%増加、ミスの発生が50%増加、などデメリットしかない
  • 1日4時間は自分だけの時間を確保する
    • 毎日4時間をブロックして、優先順位が高くて重要な仕事だけに集中する時間をつくる
  • やったこと=理解していること、ではない
    • 同僚の記憶力が良いのではなく、「自分の理解が浅い」ことが原因
    • 自分がやったことをクリアに説明できるように時間をかけて言語化する。情報を整理して把握する。
    • 書くこと。思い出すこと。そらで人に説明できること。をやると記憶できる。
    • コーネルメソッドで整理すると、定着しやすい↓
  • 頭の中にフレームワーク、ビジュアルモデルをつくる。頭の中で情報を整理する練習をする。

仕事と人生の質を高める生活習慣術

  • 生産性を上げたければ定時上がりをする。長時間労働をしてはいけない。
    • 生産性を上げるためには「学習」が必要。仕事は定時で切り上げて、その後で自分のやりたいトピックを勉強したり試したりする。
    • リンカーン「木を切る時間が6時間あるなら最初の4時間は斧を研ぐ」
  • タイムボックス制で、学習の時間を確保する
    • 5時に退勤すると決めたら、どんなにキリが悪くてもすぐに仕事をやめる。5時キッカリにアラームをセットする。その分、朝方にシフトして23時に寝て、6時に起きて、7時から仕事をする。
    • 実働時間は減っているが、脳の酷使をやめることで頭が冴えて、一気に生産性が上がる。
    • 脳の酷使をやめることで生産性が上がる。瞑想をする。ディスプレイから意図的に離れる。睡眠を取る。休憩を取る。

その他

  • 物事をできるようになるには「理解」「記憶」「反復」という3つの要素が欠かせない
    • 時間をかけて、基本と構造を「理解」する。これがないと決してコントロールはできない。
    • 頭の中で整理された状態で「記憶」する。これがないと何回も思い出す必要や調べ直す必要がでる。
    • 理解して整理して記憶できたあとは、いつでも取り出せるように「反復」する。
  • 情報量を減らす。最初から全部説明しようとしないこと。
  • 自分にその分野の「メンタルモデル」や「コンテキスト」がなければ、すぐに経験者やエキスパートに勘所を聞く。知らない人だとしても自ら声を掛けると教えてくれることが多い。
  • ディスカッションでは議論を闘わせるというよりは、むしろ「わかってない」から理解できるまで質問や会話を重ねる
  • アメリカではみんな「自分」が一番大切で、自分の幸せを第一に考えている。自分らしき、イキイキできることが最重要視されている。仕事もメンタルを壊してまでやる必要はなく、嫌ならすぐ辞める。
  • 自分の人生は自分でコントロールする
  • 掃除、整理整頓をすることで、頭もスッキリして効率が上がる。作業途中で終わらせずに家事も「完了」させる。「未完了」が多いと脳に負荷がかかる。
  • 毎日10分の高強度インターバルトレーニング(HIIT)をする。または毎日30分程度の身体への投資をする。
  • 仕事中につまむものとしてはナッツがおすすめ

さいごに

ここまでで本書で学んだことのメモをまとめてきました。ぜひ参考にしてください!

明日から(今日から)やっていく!

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