プロトタイプで検証する際に気をつけたい5つのこと
新規サービスや機能の検証や、既存の改善の検証をする際には、いわゆるプロトタイプを使ったテストをよくおこなうと思います。実際、某ITベンチャーでPMを担当していますが、現場でもプロトタイプをよく作成しています。(主にデザイナーが作成してPMがレビューするという流れが多いですが、初期案など構想フェーズではラフなプロトタイプをPM自身が作成することも多いです)
しかし、そういった検証をする中で陥りがちなミスがいくつか存在します。今回は、自戒も込めて、プロトタイプで検証をすすめる際に気をつけたいことをご紹介していきます。
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1. 製品全体を再現する必要はない
まず、プロトタイプにおいては製品全体を再現する必要はありません。あくまでも、コアなユーザーフローやユーザー体験に焦点をあてて、その部分だけ再現して検証をすればOKです。
そのためにも、「何を検証したいのか?」と検証したいポイントを明確にした上でプロトタイプを作成することが必須となります。たとえば、
- このソリューション・機能で問題解決ができるのか?
- この機能でユーザーは使い方を理解できるか?
などの目的によって、実際に作成するプロトタイプの種類は全然異なるものになります。
2. プロトタイプ作成に時間をかけすぎない
次に、プロトタイプ作成に工数を割きすぎてしまう問題も起こりがちです。上述しましたが、プロトタイプは完璧である必要はありません。本質的には「検証したいポイント」に沿って、ユーザーなどからフィードバックを得て、反復を通じて、よりよくすることが重要です。
そのため、プロトタイピングに時間をかけすぎて、アイデアを反復することができなくなっては、本末転倒です。
3. 作って終わりではなく反復する
プロトタイプ作成は1回限りのものではなく、反復的でなければなりません。完璧に作成した1つのプロトタイプより、粗く作成し、素早くフィードバックをもらって修正したプロトタイプのほうが、より問題解決の精度が高い製品になりやすいです。
プロトタイピングの主な目的は、フィードバックを得て反復を通じでよりよくすることなので、状況に合わせて適切なアプローチを選択してください。
4. テストする前にタスクを設計すること
プロトタイプを実際のユーザーと一緒にテストしたい場合は、必ず事前にタスクを設計してください。特にタスクを設計せずに「これを触ってみてください」「これはどうですか?」といっても大したフィードバックは得られません。
事前にタスクを計画し、学びたいことを学ぶために、プロトタイプを活用していきましょう。
5. プロトタイプ以外の検証手段も考慮すること
最後はプロトタイプに固執しないように気をつけてください。プロトタイプはあくまで、ソリューションの検証方法の1つでしかありません。
最高の製品と、最高のUXを提供するために、プロトタイプ以外にもたくさんの方法があります。ユーザーインタビューでも良いですし、チーム内でのディスカッションでももちろんOKです。状況に応じて、適切な手段を検討してください。
さいごに
以上がプロトタイプで検証する際に気をつけたい点でした。プロトタイプに限らず、実務でユーザーテストやプロトタイプテストするときに役立つオススメ本を紹介しておきます。ぜひ、気になる方は書店やネットで購入してみてください。