【2025年】システムアーキテクト試験合格者おすすめの参考書・問題集7選!独学勉強法も

最終更新日

経営とIT、システム全体を俯瞰し、要件定義からアーキテクチャ設計までを担う高度なスキルが求められる人気の国家資格システムアーキテクト試験(SA)」に独学で合格したい方に向けて、おすすめの書籍(参考書・テキスト/問題集・過去問集)ランキングをご紹介します!

システムアーキテクト試験では、システム開発の上流工程に関する深い知識に加え、プロジェクト推進力や文書化スキルも問われるため、学習すべき内容は非常に多岐にわたります。限られた時間の中で合格を目指すには、“効率的かつ戦略的な学習計画”が欠かせません。そのため、まず押さえておきたいのが「どの参考書・問題集を選ぶか」という点です。

今回は、実際にシステムアーキテクト試験に独学で挑戦し、見事合格を果たした方々にアンケート調査を実施し、彼らが使用していたおすすめの参考書・問題集を徹底的に調査しました。さらに、合格者が取り組んだ勉強時間・学習期間・具体的な学習プロセスについても詳しくヒアリングを行っています。

独自調査によるリアルな一次情報が満載ですので、ぜひご自身の学習にお役立てください!(一部のコンテンツにプロモーションを含みます)

■調査概要
調査方法:インターネットリサーチ(アンケート調査)
調査時期:2025年
対象人数:14人
対象者:システムアーキテクト試験に合格した人
調査内容:システムアーキテクト試験に合格するために使用した参考書/テキストや問題集、その口コミ・感想、勉強方法や勉強時間/学習期間など

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システムアーキテクト試験のおすすめ参考書・問題集(迷ったらコレ!)

システムアーキテクト試験の学習を始めるにあたり、まず手に入れるべきなのが参考書と問題集です。まずは、多くの合格者が推薦し、高い評価を得ている定番の参考書・テキスト・問題集を厳選してご紹介します!

情報処理教科書 システムアーキテクト 2025~2026年版

多くの合格者が推薦しているシステムアーキテクト試験のおすすめ参考書・問題集の1つが「情報処理教科書 システムアーキテクト 2025~2026年版」です。

本書は、情報処理技術者試験「システムアーキテクト(SA)」の午前II、午後I、午後II試験対策に特化した一冊です。午前IIでは再出題の可能性が高い100問を精選し、午後Iでは長文問題の読み解き方と解答手順を詳細に解説。午後IIでは論文作成のストーリー構築法や時間配分のコツを丁寧に紹介しています。さらに、午後I・IIの過去問6回分を紙面に掲載し、9回分をWebで提供。令和7年度試験の解答・解説もダウンロード可能で、実践的な演習を通じて合格力を高める構成となっています。

▼書籍概要

書籍名情報処理教科書 システムアーキテクト 2025~2026年版
対象者本書は、情報システムの設計・開発・運用に携わる実務経験者や、ITプロジェクトのマネジメントに関与する社会人を主な対象としています。特に、システムアーキテクト試験の合格を目指すエンジニアやITコンサルタントに適しています。
ひとこと説明システムアーキテクト試験の午前IIから午後IIまでを網羅し、豊富な過去問と詳細な解説で合格力を養う実践的な対策書
著者松原 敬二、満川 一彦、松田 幹子
発売日2024/9/25
ページ数544ページ
出版社翔泳社
中身(目次)第1部 午前II対策
 第1章 午前II演習

第2部 午後I対策
 第1章 午後I試験の攻略法
 第2章 午後I演習

第3部 午後II対策
 第1章 午後II試験の攻略法
 第2章 午後II演習

付録 システムアーキテクトになるには
ダウンロード付録:過去問題9回分の問題、解説
読んだ人のクチコミ・午後IIの論文対策が具体的で、ストーリー構築の参考になりました。
・過去問の解説が丁寧で、出題傾向の把握に役立ちました。
・午後Iの長文問題の読み方が詳しく解説されており、理解が深まりました。
・ダウンロード提供の過去問が豊富で、演習量を確保できました。
・実務経験者向けの内容で、試験対策に直結する情報が満載でした。

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システムアーキテクト 合格論文の書き方・事例集 第6版

多くの合格者が推薦しているシステムアーキテクト試験のおすすめ参考書・問題集の2冊目が「システムアーキテクト 合格論文の書き方・事例集 第6版」です。

本書は、情報処理技術者試験「システムアーキテクト(SA)」の午後II試験対策に特化した一冊です。論文作成に不安を抱える方に向けて、論述試験の基本から論文設計・執筆・添削・再構築までのプロセスを丁寧に解説しています。巻末には実践的なワークシートが付属し、手を動かしながら学習を進められます。さらに、専門家による36本の論文事例を収録し、企画・要件定義・機能設計・システム移行・組込みシステムなど多岐にわたるテーマを網羅。午後I問題を活用した論文設計の方法も紹介されており、実務経験を活かした論文作成力を養うことができます。

▼書籍概要

書籍名システムアーキテクト 合格論文の書き方・事例集 第6版
対象者特に、システムアーキテクト試験の午後II試験で論文作成に不安を感じている方や、過去に試験に挑戦したが論文でつまずいた方に適しています。
ひとこと説明システムアーキテクト試験の午後II論文対策に特化し、豊富な事例と実践的な演習で論文作成力を高める一冊。
著者岡山 昌二、満川一彦、岡山昌二、鈴木久、長嶋仁、北條武
発売日2022/9/30
ページ数418ページ
出版社アイテック
中身(目次)第1部 合格論文の書き方
第1章 本書を手にしたら読んでみる
第2章 論述式試験を突破する
第3章 基礎編
第4章 論文を作成する際の約束ごとを確認する
第5章 論文を設計して書く演習をする
第6章 添削を受けて書き直してみる
第7章 午後Ⅰ問題を使って論文を書いてみる
第8章 本試験に備える
第9章 受験者の問題を解消する

第2部 論文事例
第1章 企画……専門家による2論文を掲載
第2章 要件定義……専門家による10論文を掲載
第3章 開発(機能の設計)……専門家による12論文を掲載
第4章 開発(ソフトウェアの設計)……専門家による1論文を掲載
第5章 システムテスト・システム移行……専門家による4論文を掲載
第6章 組込みシステム・IoTを利用したシステム……専門家による7論文を掲載
読んだ人のクチコミ・論文の書き方が丁寧に解説されており、文章に自信がない私でも取り組みやすかったです。
・午後I問題を活用した論文設計の方法が紹介されており、実務経験を活かした論文作成に役立ちました。
・巻末のワークシートを使って実践的に学習でき、論文に対する不安が軽減されました。
・専門家による36本の論文事例が収録されており、さまざまなテーマの論文構成を学べました。
・論文作成のプロセスがステップごとに解説されており、論述試験への取り組み方が明確になりました。

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情報処理技術者試験 ALL IN ONE オールインワン パーフェクトマスター システムアーキテクト 2025年度版

多くの合格者が推薦しているシステムアーキテクト試験のおすすめ参考書・問題集の3冊目が「情報処理技術者試験 ALL IN ONE オールインワン パーフェクトマスター システムアーキテクト 2025年度版」です。

本書は、情報処理技術者試験「システムアーキテクト(SA)」の午前Ⅱ、午後Ⅰ、午後Ⅱ試験対策を1冊で網羅したテキスト&問題集です。午前Ⅱでは出題頻度の高いキーワードやキーフレーズを効率的に習得できるよう解説し、再出題可能性の高い過去問演習を収録。午後Ⅰでは、長文問題の読み取り方として「三段跳び法(Hop→Step→Jump)」を解説し、頻出の分野・テーマ・観点・事例パターンを分析・厳選した過去問演習を提供。午後Ⅱでは、合格答案を作成するために「ステップ法」「自由展開法」「“そこで私は”展開法」「“最初に次に”展開法」などの汎用論述テクニックを解説し、頻出の分野・テーマ・設問要求パターンを分析・厳選した過去問演習を収録しています。さらに、2025年度版より、書籍に掲載した午後Ⅰ・Ⅱ問題演習について、サイバーブックストア上で「解答用紙ダウンロードサービス」を開始し、実践的な学習をサポートします。

▼書籍概要

書籍名情報処理技術者試験 ALL IN ONE オールインワン パーフェクトマスター システムアーキテクト 2025年度版
ひとこと説明システムアーキテクト試験の午前Ⅱから午後Ⅱまでを網羅し、効率的な学習法と豊富な過去問演習で合格力を高める実践的な対策書。
著者TAC情報処理講座
発売日2024/8/24
ページ数580ページ
出版社TAC出版
中身(目次)第0部 試験の分析と突破法―本書の特徴
第1部 システム開発の知識/午前2試験対策
第2部 関連知識/午前2試験対策
第3部 午後1試験対策
第4部 午後2試験対策
読んだ人のクチコミ・午後Ⅰの「三段跳び法」が問題解決の手順を明確にしてくれ、理解が深まりました。
・午後Ⅱの論述テクニックが具体的で、論文作成の自信につながりました。
・解答用紙のダウンロードサービスがあり、実際の試験形式で練習できて良かったです。
・過去問の解説が丁寧で、出題傾向の把握に役立ちました。
・午前Ⅱから午後Ⅱまで一貫して学習できる構成が効率的で、時間のない中でも勉強を進められました。

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システムアーキテクト試験とは?概要を紹介

システムアーキテクト試験(SA)は、情報処理推進機構(IPA)が主催する情報処理技術者試験の中でも、最高難易度であるスキルレベル4に位置づけられる高度情報処理技術者試験の一つです。この試験は、単なるプログラミングやシステム開発の知識を問うだけでなく、企業の経営戦略や事業戦略を深く理解し、それに沿った情報システム全体の設計思想(アーキテクチャ)を構築・主導できるプロフェッショナルを認定することを目的としています。

現代の企業活動において、ITシステムは単なる業務効率化ツールではありません。ビジネスモデルそのものを支え、新たな価値を創造するための基盤となっています。このような状況下で、システムアーキテクトは、経営層と開発現場の橋渡し役となり、複雑化・高度化するビジネス要求を的確に捉え、それを実現するための最適な情報システム戦略を立案し、その設計と開発をリードする重要な役割を担います。

この試験に合格することは、システム開発の最上流工程を担う能力、つまり「情報システム戦略を具現化する設計力」を持つことを客観的に証明するものです。そのため、ITコンサルタント、プロジェクトマネージャー、シニアエンジニアなどを目指す方々にとって、キャリアアップやスキルアップのための重要なマイルストーンとなる資格と言えるでしょう。

IPA 試験区分一覧より

試験概要

資格名システムアーキテクト試験
概要情報処理技術者試験のスキルレベル4に位置づけられる高度試験の一つです。情報システム戦略を具体化するためのアーキテクチャを設計し、情報システムの開発を主導する能力を認定します。企業全体の情報システム基盤や、個別の情報システム(アプリケーション、インフラストラクチャなど)の全体構造(アーキテクチャ)を設計し、開発を主導する役割を担う人材を対象としています。
対象者像情報システム戦略を具体化するための適切な情報システム全体のアーキテクチャ(枠組み)を設計し、開発を主導する者。具体的には、以下のような経験や能力を持つ人材が想定されています。
・システム開発の上流工程(企画、要件定義、設計)において主導的な役割を担う。
・業務ニーズや技術動向を的確に捉え、情報システム全体のグランドデザインを描ける。
・多様な利害関係者(経営層、業務部門、開発担当者など)と円滑なコミュニケーションを図り、合意形成を主導できる。
業務と役割システムアーキテクトは、情報システム戦略に基づき、情報システムのグランドデザインを設計し完成に導く役割を担います。主な業務は以下の通りです。

・情報システム戦略の具体化: 経営戦略や事業戦略を理解し、それを実現するための情報システム戦略を具体的なアーキテクチャに落とし込む。
・全体アーキテクチャ設計: 対象業務の分析、課題の抽出を行い、情報システム全体の構造、構成要素、連携方式などを設計する。これには、アプリケーションアーキテクチャ、データアーキテクチャ、テクニカルアーキテクチャ(インフラストラクチャ、セキュリティなど)の設計が含まれる。
・技術選定と標準化: 最新技術動向を評価し、システムの目的や制約条件に応じて最適な技術を選定する。また、開発標準や設計標準を策定し、品質の確保を図る。
・開発の主導と支援: 設計したアーキテクチャに基づき、開発チームを指導・支援し、品質・コスト・納期を管理しながらプロジェクトを推進する。
・非機能要件の実現: 性能、信頼性、拡張性、セキュリティなどの非機能要件を定義し、それを満たすアーキテクチャを設計・検証する。
期待する水準情報システム戦略を具現化するために、次の知識・実践能力が要求されます。

・情報システム戦略を理解し、ビジネス環境の変化や最新技術動向を踏まえ、実現可能なシステムアーキテクチャを設計できる。
・業務プロセス全体を分析し、課題を特定した上で、業務モデルと情報システム全体の整合性を確保したアーキテクチャを設計できる。
・情報セキュリティを含む非機能要件を網羅的に検討し、システムの特性に応じた実現方式を設計できる。
・システムの開発プロセス全体を主導し、品質、コスト、納期を達成するための技術的な支援や意思決定ができる。
・設計したアーキテクチャやその妥当性について、経営層や業務部門、開発担当者などの利害関係者に対して論理的かつ分かりやすく説明し、合意形成を図ることができる。
出題範囲・シラバスⅠ 契約・合意に関すること
提案依頼書(RFP)・提案書の準備,プロジェクト計画立案の支援 など

Ⅱ 企画に関すること
対象業務の内容の確認,対象業務システムの分析,適用情報技術の調査,業務モデルの作成,システム化機能の整理とシステム方式の策定,サービスレベルと品質に対する基本方針の明確化,実現可能性の検討,システム選定方針の策定,コストとシステム投資効果の予測 など

Ⅲ 要件定義に関すること
要件の識別と制約条件の定義,業務要件の定義,組織及び環境要件の具体化,機能要件の定義,非機能要件の定義,スケジュールに関する要件の定義 など

Ⅳ 開発に関すること
システム要件定義,システム方式設計,ソフトウェア要件定義,ソフトウェア方式設計,ソフトウェア詳細設計,システム結合,システム適格性確認テスト,ソフトウェア導入・システム導入,ソフトウェア受入れ支援・システム受入れ支援 など

Ⅴ 運用・保守に関すること
運用テスト,業務及びシステムの移行,システム運用の評価,業務運用の評価,投資効果及び業務効果の評価,保守にかかわる問題及び修正の分析 など
合格率15%程度

・令和5年度秋期: 15.8%
・令和4年度秋期: 15.2%
・令和3年度秋期: 15.2%
採点方法と合格基準午前I、午前II、午後I: 各試験区分で満点の60%以上の得点。

午後II: 評価ランクA、B、C、Dのうち、Aランクのみが合格。
・Aランク:問題で要求した項目の充足度が高く、内容に優れている。
・Bランク:問題で要求した項目の充足度が普通である。
・Cランク:問題で要求した項目の充足度が低い。
・Dランク:問題で要求した項目の充足度が著しく低いか、論述の対象外である。

段階選抜方式であり、前の試験区分で合格基準を満たさない場合、それ以降の試験区分は採点されません。
受験料7,500円(消費税込み)
公式サイトhttps://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/sa.html

試験時間・出題形式・出題数

試験区分試験時間出題形式出題数/解答数
午前I50分多肢選択式30問/30問
午前II40分多肢選択式25問/25問
午後I90分記述式3問/2問選択
午後II120分論述式(論文)2問/1問選択

合格基準・合格率

システムアーキテクト試験の合格基準は、各試験区分で明確に定められています。しかし、その基準をクリアすることは容易ではなく、合格率は情報処理技術者試験の中でも特に低い水準で推移しています。

合格基準:

試験区分合格基準
午前I試験満点(100点)の60%以上の得点
午前II試験満点(100点)の60%以上の得点
午後I試験満点(100点)の60%以上の得点
午後II試験A, B, C, D の4段階で評価され、「Aランク」のみが合格

・Aランク:問題で要求した項目の充足度が高く、内容に優れている。
・Bランク:問題で要求した項目の充足度が普通である。
・Cランク:問題で要求した項目の充足度が低い。
・Dランク:問題で要求した項目の充足度が著しく低いか、論述の対象外である。

重要な注意点として、この試験は段階選抜方式を採用しているため、前の試験区分で合格基準に達しない場合、それ以降の試験区分は採点されません。つまり、午前Iで60点未満だった場合、午前II、午後I、午後IIがどれだけ高得点でも不合格となります。同様に、午前I・IIをクリアしても、午後Iで60点未満なら、午後IIは採点されずに不合格です。最終的に午後II試験でAランクを獲得して、初めて「システムアーキテクト試験合格」となります。

合格率の推移と難易度:

システムアーキテクト試験の合格率は、例年15%程度で推移しています。これは、数ある情報処理技術者試験の中でもトップクラスの低さであり、その難易度の高さを物語っています。

年度受験者数合格率
2021年度3,433名16.5%
2022年度3,474名15.0%
2023年度3,679名15.8%
2024年度3,666名15.0%

勉強時間の目安

システムアーキテクト試験の合格に必要な勉強時間は、受験者のこれまでの経験、保有知識、学習スタイルによって大きく異なります。しかし、一般的には200時間から300時間程度が目安とされています。ただし、これはあくまで平均的な数値であり、より多くの時間が必要な場合も、逆に短時間で合格する人もいます。

具体的な勉強時間と期間の例:

ケース勉強時間・期間などの詳細
標準的なケース (200~300時間)応用情報技術者試験レベルの知識があり、ある程度の上流工程経験がある場合。6ヶ月程度の期間を見込み、平日は1~2時間、休日は3~4時間程度の学習を継続するイメージです。
経験豊富なケース (100~200時間)すでに他の高度試験に合格しており、システムアーキテクトとしての実務経験が豊富な場合。午後対策を中心に、3ヶ月~4ヶ月程度の短期間で集中して学習し、合格を目指すことも可能です。
じっくり取り組むケース (300時間以上)IT経験が浅い、または応用情報レベルの知識に不安がある場合。基礎固めから始める必要があるため、1年程度の長期的な学習計画を立て、着実にステップアップしていく必要があります。

システムアーキテクト試験の参考書・問題集の選び方のポイント

システムアーキテクト試験は、その難易度の高さから、適切な参考書・問題集選びが合否を大きく左右すると言っても過言ではありません。数多くの書籍が出版されている中で、自分に合った、そして合格への最短ルートを示してくれる教材を見つけることは、学習を始める上での非常に重要なステップです。

ここでは、参考書選びと問題集選び、それぞれの重要なチェックポイントを詳しく解説していきます!

参考書選びのポイント

参考書は、システムアーキテクト試験の広範な知識体系を理解し、思考の土台を築くための羅針盤となる存在です。単に情報を詰め込むだけでなく、「理解」を深め、「応用力」を養うためのパートナーとして、以下の点を重点的にチェックしましょう!

試験範囲を網羅しているか

システムアーキテクト試験の出題範囲は、IPAが公開している「試験要綱」および「シラバス」で詳細に定義されています。この範囲は非常に広く、情報システム戦略、業務モデリング、要件定義、アーキテクチャ設計(機能、非機能)、開発技術、プロジェクトマネジメント、セキュリティ、ITサービスマネジメント、さらには関連法規や標準化動向まで多岐にわたるので、これらの試験範囲を過不足なくカバーしているかを確認することが最も基本的なポイントです!

以下の書籍は一冊ですべての試験範囲をカバーしているテキストです!

解説のわかりやすさと図表の活用

システムアーキテクト試験で扱う内容は、抽象的な概念や複雑な技術が多く、独学で理解するにはハードルが高いものも少なくありません。そのため、参考書を選ぶ際には、その解説がどれだけわかりやすく、丁寧であるかが非常に重要なポイントとなります!

以下の書籍は解説に定評があります!

最新の出題傾向に対応しているか

IT業界は日進月歩であり、新しい技術や概念、開発手法が次々と登場しています。それに伴い、情報処理技術者試験、特に時代の変化に敏感であるべきシステムアーキテクト試験の出題傾向も、常に変化しています。そのため、参考書を選ぶ際には、その内容が最新の技術動向や出題傾向をしっかりと反映しているかを確認することが極めて重要です!

本記事で取り上げる書籍は最新の出題傾向に対応しています!

応用力・記述力を伸ばせる内容か

システムアーキテクト試験、特に午後I(記述式)と午後II(論述式)では、単なる知識の有無を問うだけでなく、その知識をいかに実際の場面で応用し、課題を解決に導き、そしてそれを論理的に説明できるかが評価されます。したがって、参考書を選ぶ際には、知識をインプットするだけでなく、思考力、応用力、そして記述力・論述力を養うための工夫が凝らされているかを確認することが非常に重要です!

論述に特化した人気の参考書はこちらです!

問題集選びのポイント

問題集は、インプットした知識を定着させ、試験本番での得点力を直接的に高めるための必須アイテムです。特にシステムアーキテクト試験では、過去問の重要性が非常に高いため、問題集選びは慎重に行う必要があります。以下のポイントを参考に、効果的なアウトプット学習を実現できる問題集を選びましょう!

こちらの書籍は以下のすべてを網羅しておりおすすめです!

過去問の掲載数と質

システムアーキテクト試験対策において、過去問題演習は最も重要かつ効果的な学習方法です。過去問を解くことで、出題形式、問題の難易度、時間配分、頻出テーマなどを体感的に理解し、自身の弱点を把握することができます。したがって、問題集を選ぶ際には、掲載されている過去問の数と質が最優先のチェックポイントです!

解答・解説の丁寧さ(なぜそうなるかを説明しているか)

問題集を選ぶ上で、過去問の掲載数と並んで、いや、それ以上に重要かもしれないのが、解答・解説の質と丁寧さです。問題を解いて答え合わせをするだけでは、学習効果は半減してしまいます。なぜその解答が正しいのか、なぜ他の選択肢は誤っているのか、その根拠や背景、思考プロセスを理解して初めて、知識は定着し、応用力が身につきます!

午後Ⅱ(論述式)対策の有無

システムアーキテクト試験において、最大の壁であり、多くの受験者が苦労するのが午後IIの論述式試験です。そのため、問題集を選ぶ際には、この難関である午後II(論述式)試験への対策がどの程度充実しているかが、極めて重要なチェックポイントとなります。午前や午後Iの対策は過去問演習である程度対応できますが、午後II対策は独学では難しく、質の高い教材のサポートが不可欠です。

システムアーキテクト試験のおすすめ参考書・問題集

参考書や問題集・テキストの選び方もわかったので、早速、アンケート調査で独学合格した人に聞いたシステムアーキテクト試験のおすすめ参考書&問題集を紹介します!ここでは合格者が試験対策本として愛用していたというクチコミの多かった本の中でも愛用されていた定番の本を紹介します。

記事冒頭でお伝えした絶対おすすめ3冊をやったあとや、もう一冊やっておきたいなというときにおすすめです!

2025-2026 システムアーキテクト「専門知識+午後問題」の重点対策

多くの合格者が推薦しているシステムアーキテクト試験のおすすめ参考書・問題集の1つが「2025-2026 システムアーキテクト「専門知識+午後問題」の重点対策」です。

本書は、情報処理技術者試験「システムアーキテクト(SA)」の午前Ⅱ、午後Ⅰ、午後Ⅱ試験対策を1冊で網羅した対策書です。午前Ⅱでは、システム開発技術や要件定義、セキュリティなどの専門知識を丁寧に解説し、午後試験にも役立つ知識を習得できます。午後Ⅰでは、企業の主要業務に関する出題傾向を分析し、解法テクニックや演習問題を通じて得点力を高めます。午後Ⅱでは、論文の概要設計や解法テクニックを解説し、論述力を養成します。さらに、学習スケジュールや進捗管理表を掲載し、効率的な学習をサポートします。

▼書籍概要

書籍名2025-2026 システムアーキテクト「専門知識+午後問題」の重点対策
対象者本書は、情報システムの設計・開発・運用に携わる実務経験者や、ITプロジェクトのマネジメントに関与する社会人を主な対象としています。特に、システムアーキテクト試験の合格を目指すエンジニアやITコンサルタントに適しています。
ひとこと説明システムアーキテクト試験の午前Ⅱから午後Ⅱまでを網羅し、専門知識の解説と演習で合格力を高める実践的な対策書。
著者岡山 昌二
発売日2024/11/12
ページ数632ページ
出版社アイテック
中身(目次)第1部 試験の概要と対策
 第1章 試験概要
 第2章 出題傾向
 第3章 試験対策
 第4章 合格のツボ!
第2部 午前Ⅱ(専門知識)試験の重点対策
 第1章 学習方法
 第2章 システム開発技術
 第3章 ソフトウェア開発管理技術
 第4章 オブジェクト指向分析
 第5章 構造化分析
 第6章 システム化計画
 第7章 要件定義
 第8章 調達計画・実施
 第9章 セキュリティ
第3部 午後Ⅰ試験の重点対策
 第1章 午後Ⅰ試験突破のツボ!
 第2章 午後Ⅰ試験に出題される企業の主要業務
 第3章 解法テクニック
 第4章 解法テクニック活用の演習
 第5章 解法テクニック応用の演習
第4部 午後Ⅱ試験の重点対策
 第1章 合格のツボと学習方法
 第2章 論文解法テクニック
 第3章 改善した方がよい論述例
 第4章 準備した論文ネタを流用した論述
 第5章 論文解法テクニックの実戦的演習
 第6章 論文解法テクニックの活用演習
読んだ人のクチコミ・午前Ⅱの専門知識が丁寧に解説されており、基礎固めに最適でした。
・午後Ⅰの解法テクニックが具体的で、問題解決の手順が明確になりました。
・午後Ⅱの論文設計方法が詳しく、論述力の向上に役立ちました。
・学習スケジュールや進捗管理表があり、計画的に学習を進められました。
・全体的に実践的な内容で、試験対策に直結する情報が満載でした。

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2025-2026 システムアーキテクト 総仕上げ問題集

多くの合格者が推薦しているシステムアーキテクト試験のおすすめ参考書・問題集の1つが「2025-2026 システムアーキテクト 総仕上げ問題集」です。

本書は、情報処理技術者試験「システムアーキテクト(SA)」の総仕上げとして、3ステップで実力を強化する問題集です。まず、分野別Web確認テストで知識の定着度をチェック。次に、直近10期分(平成26年度秋期~令和6年度春期)の本試験問題を詳細に解説し、出題傾向と解法を徹底的に理解します。最後に、本試験を想定したオリジナル実力診断テストに挑戦し、実践力を養成。また、令和7年度春期試験の解答・解説は2025年9月中旬にリリース予定で、最新の試験傾向にも対応しています。正解だけでなく、誤答の選択肢についても詳細な解説があり、理解を深めることができます。

▼書籍概要

書籍名2025-2026 システムアーキテクト 総仕上げ問題集
対象者本書は、情報システムの設計・開発・運用に携わる実務経験者や、ITプロジェクトのマネジメントに関与する社会人を主な対象としています。特に、システムアーキテクト試験の合格を目指すエンジニアやITコンサルタントに適しています。
ひとこと説明システムアーキテクト試験の総仕上げとして、3ステップで実力を強化し、最新の出題傾向に対応した問題集。
著者アイテックIT人材教育研究部
発売日2024/9/18
ページ数562ページ
出版社アイテック
中身(目次)試験制度解説編
第1部 分野別Web確認テスト
第2部 本試験問題
・令和4年度春期試験 問題と解答・解説編
・令和5年度春期試験 問題と解答・解説編
・令和6年度春期試験 問題と解答・解説編

<出題分析>
(1) 午前問題出題分析
(2) 午前の出題範囲
(3) 午後Ⅰ問題 予想配点表
第3部 実力診断テスト
読んだ人のクチコミ・分野別Web確認テストで自分の弱点が明確になり、効率的に学習できました。
・過去10期分の本試験問題の解説が丁寧で、出題傾向の把握に役立ちました。
・実力診断テストが本番さながらで、試験前の総仕上げに最適でした。
・誤答の選択肢についても詳しく解説されており、理解が深まりました。
・最新の試験傾向に対応しており、安心して学習を進められました。

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システムアーキテクト 午後2 最速の論述対策 第2版

多くの合格者が推薦しているシステムアーキテクト試験のおすすめ参考書・問題集の1つが「システムアーキテクト 午後2 最速の論述対策 第2版」です。

本書は、情報処理技術者試験「システムアーキテクト(SA)」の午後Ⅱ試験対策に特化した一冊です。論述試験に不安を感じる受験者に向けて、「不合格にならない」ための6つの要件と6つの作成ルールを明快に解説しています。システム開発のウォーターフォールモデルに沿った答案作成手順を採用し、要件定義から設計、実装、テスト、移行までの流れを論述に反映させる方法を具体的に示しています。また、直前期の学習にも対応できるよう、時間をかけずに効率的に学習を進められる構成となっています。解答用紙のダウンロードサービスも提供されており、実践的な演習を通じて論述力を高めることができます。

▼書籍概要

書籍名システムアーキテクト 午後2 最速の論述対策 第2版
対象者本書は、情報システムの設計・開発・運用に携わる実務経験者や、ITプロジェクトのマネジメントに関与する社会人を主な対象としています。特に、システムアーキテクト試験の午後Ⅱ試験で論文作成に不安を感じている方や、過去に試験に挑戦したが論文でつまずいた方に適しています。
ひとこと説明午後Ⅱ論述試験で「不合格にならない」ための要件と作成ルールを明快に解説し、効率的な答案作成を支援する対策書
著者三好 隆宏
発売日2024/10/26
ページ数144ページ
出版社TAC出版
中身(目次)第1章 SA午後II試験はこんな試験です
第2章 本書でオススメするSA午後II対策アプローチ
第3章 試験当日までに準備しておくこと-題材・モジュールについて-
第4章 要件定義/問題のテーマと設問要求の確認
第5章 外部設計/章・節立ての作成
第6章 内部設計/節ごとの論述ポイントの決定
第7章 プログラミング/ひたすら書く
付録 合格できる答案例
読んだ人のクチコミ・論述試験の構成が明確になり、答案作成の不安が軽減されました。
・ウォーターフォールモデルに沿った解説が実務経験と結びつき、理解が深まりました。
・直前期の学習にも対応できる構成で、効率的に対策を進められました。
・解答用紙のダウンロードサービスがあり、実践的な演習が可能でした。
・論述試験に特化した内容で、他の参考書と併用することで効果的な学習ができました。

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情報処理教科書 高度試験午前Ⅰ・Ⅱ 2025年版

多くの合格者が推薦しているシステムアーキテクト試験のおすすめ参考書・問題集の1つが「情報処理教科書 高度試験午前Ⅰ・Ⅱ 2025年版」です。

本書は、情報処理技術者試験の高度試験(午前Ⅰ・Ⅱ)対策に特化した問題集で、システムアーキテクト試験の午前対策にも最適です。2025年度に再出題される可能性の高い問題を厳選し、効率的な学習を実現します。問題の背景知識や類似問題への対応も解説されており、理解を深めることができます。また、読者特典としてWebアプリが提供されており、書籍内で学んだ500問を何度でも復習可能です。応用情報技術者試験の午前対策としても活用でき、学習のポイントがわかるコラムも掲載されています。

▼書籍概要

書籍名情報処理教科書 高度試験午前Ⅰ・Ⅱ 2025年版
対象者本書は、システムアーキテクト試験などの高度試験を受験予定の社会人や実務経験者を主な対象としています。特に、午前Ⅰ・Ⅱ試験の効率的な対策を求める方に適しています。
ひとこと説明再出題可能性の高い問題を厳選した効率的な問題集。
著者松原 敬二
発売日2024/9/25
ページ数664ページ
出版社翔泳社
中身(目次)Chapter 01 基礎理論
Chapter 02 コンピュータシステム
Chapter 03 技術要素
Chapter 04 開発技術
Chapter 05 プロジェクトマネジメント
Chapter 06 サービスマネジメント
Chapter 07 システム戦略
Chapter 08 経営戦略
Chapter 09 企業と法務
読んだ人のクチコミ・再出題の可能性が高い問題を厳選しているので、効率的に学習できました。
・問題の背景知識まで解説されており、理解が深まりました。
・Webアプリで何度も復習できる点が便利でした。
・システムアーキテクト試験の午前対策としても活用できました。
・学習のポイントがわかるコラムが役立ちました。

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システムアーキテクト試験の独学合格者の体験記・勉強方法

システムアーキテクト試験は難関ですが、独学で合格を掴み取ることは決して不可能ではありません。独学の道は、時に孤独で、試行錯誤の連続かもしれませんが、それを乗り越えた時の達成感と自信は、計り知れないものがあります。

ここでは、実際に独学でシステムアーキテクト試験に合格された5名の方々の貴重な体験談をご紹介します。年齢、職業、受験のきっかけ、そして具体的な勉強方法まで、多岐にわたるエピソードは、これから受験を考えている方々、あるいは現在学習に取り組んでいる方々にとって、大きな勇気と具体的なヒントを与えてくれるはずです!

彼らの体験談からは、共通する合格への鍵(例えば、過去問の徹底的な活用、論文対策の重要性、継続的な学習習慣など)が見えてくる一方で、一人ひとり異なるアプローチがあることもわかります。

これらの体験記を通じて、「自分ならどう学習を進めるか」「どの方法が自分に合っているか」を考えるきっかけにしてください!!

▼合格者①:Aさん(32歳・SIer勤務 SE)の事例

受験のきっかけ現在のプロジェクトで上流工程を担当する機会が増え、体系的な知識と設計能力を証明したいと考えたため。応用情報技術者試験は取得済みでしたが、さらにステップアップを目指しました。
勉強期間・時間約8ヶ月。平日は通勤時間と帰宅後に1.5時間、休日は4時間程度。合計で約350時間費やしました。
勉強方法午前: 午前Iは免除だったため、午前II対策に集中しました。定番の参考書を1周読んだ後、過去問道場(Webサイト)をひたすら周回。間違えた問題は参考書に戻って復習し、知識の穴を埋めました。特に苦手だったデータベースとネットワークは重点的に時間をかけました。

午後I: 過去問10年分を最低3回は解きました。最初は時間を気にせず、じっくり問題文を読み込み、解答の骨子を考える練習。慣れてきたら、時間内に記述する練習をしました。解答例を参考に、なぜその記述が必要なのか、採点ポイントはどこかを意識して復習しました。

午後II: これが最大の難関でした。まずは論文対策本を読み込み、論文の型を学びました。次に、過去の業務経験を棚卸し、「論文のネタ」を10個ほど準備。各テーマに合わせて骨子を作成し、実際に書く練習を繰り返しました。書いた論文は、信頼できる先輩SEに読んでもらい、客観的なフィードバックをもらうことで質を高めていきました。

▼合格者②:Bさん(41歳・事業会社 社内SE)の事例

受験のきっかけ自社のDX推進プロジェクトのリーダーを任され、経営層や各部門と連携し、全社的なシステム基盤を設計する必要が出てきたため。マネジメント経験はありましたが、アーキテクチャ設計の専門性を高めたいと感じました。
勉強期間・時間約1年。平日は早朝に1時間、休日は家族の理解を得て5時間ほど確保。合計で400時間以上かかったと思います。
勉強方法午前: 応用情報レベルの知識から不安があったため、まずは基礎固めからスタート。午前I・IIともに、図解の多いわかりやすい参考書を選び、じっくり読み込みました。その後、過去問を5年分解き、理解度を確認。特に新しい技術(クラウド、AI)は重点的に学習しました。

午後I: 事業会社の立場から、業務要件をどうシステムに落とし込むか、という視点を意識して過去問に取り組みました。解答作成時は、技術的な正しさだけでなく、ビジネス上のメリットやデメリット、リスクにも言及するように心がけました。

午後II: 論文のネタ探しに苦労しました。社内SEとしての経験はありますが、大規模開発の経験は少なかったためです。そこで、自分が関わった複数のプロジェクトを組み合わせたり、一部仮想の要素を加えたりして、説得力のあるストーリーを構築する練習をしました。論文対策本に加え、IPAが公開している論文例を参考に、構成力と表現力を磨きました。

▼合格者③:Cさん(29歳・Web系企業 エンジニア)の事例

受験のきっかけ技術力には自信がありましたが、担当するサービスのアーキテクチャ設計を任されるようになり、自分の設計判断に客観的な裏付けと説得力を持たせたいと考えたため。若手でも高度な専門性を示せる資格として魅力を感じました。
勉強期間・時間約6ヶ月。メリハリをつけ、平日は2時間、休日は勉強しない日も設けつつ、やる日は6時間集中。合計約300時間。
勉強方法午前: テクノロジ系は得意でしたが、ストラテジ系やマネジメント系が弱点でした。午前I・IIともに、苦手分野を中心に参考書でインプットし、あとは過去問演習で知識を定着させました。スマホアプリも活用し、隙間時間で問題を解きました。

午後I: スピードと正確性が鍵だと感じました。問題文のキーワードを素早く見つけ、設問の意図を正確に把握する練習を重ねました。解答は、結論から先に書き、理由を簡潔に補足するスタイルを意識しました。

午後II: 技術的な深掘りはできても、それをビジネスの文脈や全体最適の観点から論じるのに苦労しました。技術選定をテーマに論文を書く際も、単なる技術比較だけでなく、「なぜその技術がビジネス課題解決に最適なのか」を論理的に説明する必要がありました。上司やアーキテクトの先輩に相談し、視座を高めるアドバイスをもらいながら、論文を何度も書き直しました。

▼合格者④:Dさん(38歳・インフラエンジニア)の事例

受験のきっかけクラウドへの移行プロジェクトが増える中で、インフラだけでなく、アプリケーションやデータ構造を含めたシステム全体のアーキテクチャを設計できるスキルが必要だと痛感したため。キャリアの幅を広げたいという思いもありました。
勉強期間・時間約7ヶ月。通勤時間が長いため、往復2時間を午前対策と参考書読み込みに充て、帰宅後に1時間、休日に3時間、午後対策を中心に学習。合計約320時間。
勉強方法午前: インフラ・ネットワーク・セキュリティは得意でしたが、開発プロセスやデータベース、業務分析などは知識が不足していました。午前II対策として、該当分野の参考書を重点的に読み込みました。

午後I: アプリケーション側の視点や、業務要件の読解に苦労しました。過去問を解く際は、インフラ担当者の視点だけでなく、開発者や利用者の視点からも問題を考えるように意識しました。解答例を写経し、記述の型を覚えることから始めました。

午後II: インフラ視点での論文は書けても、システム全体の最適化やビジネス貢献といった視点が弱くなりがちでした。そこで、普段からアプリケーション開発者と積極的にコミュニケーションを取り、開発側の課題や考え方を学ぶようにしました。論文では、インフラ設計がどのようにビジネス価値向上に貢献するかを具体的に示すことを意識しました。論文対策講座(オンライン)を一部利用し、添削を受けました。

▼合格者⑤:Eさん(46歳・ITコンサルタント)の事例

受験のきっかけクライアントに対して、より説得力のあるIT戦略やシステム化構想を提案するため。自身の経験やスキルを、権威ある資格で客観的に証明する必要性を感じました。
勉強期間・時間約5ヶ月。多忙なため、時間は限られていましたが、これまでの経験を活かし、効率性を重視。平日は1時間、休日は可能な限り集中して4~5時間。合計約250時間。
勉強方法午前: 知識の再確認と最新技術のキャッチアップが目的。午前Iは免除。午前IIは、参考書を通読した後、過去問を解き、間違えた部分だけを重点的に復習するスタイルを取りました。

午後I: コンサルタントとしての課題分析力や提案力を活かせる部分でした。問題文の背景にあるクライアントの「真の課題」を見抜くことを意識しました。解答は、ロジカルかつ構造的に記述することを心がけました。過去問は5年分を2周しました。

午後II: 豊富な経験が強みでしたが、それを試験の要求する型に合わせて論述するスキルが必要でした。複数のプロジェクト経験から、論文テーマに合致し、かつ自身の強みをアピールできる「鉄板ネタ」を厳選。論文構成のテンプレートを作成し、それに沿って書く練習をしました。文字数と時間配分を常に意識し、本番さながらの演習を繰り返しました。第三者の視点を得るため、同僚と論文を相互レビューしました。

さいごに

この記事では、2025年のシステムアーキテクト試験合格を目指すあなたに向けて、試験の概要から、参考書・問題集の選び方、そして独学合格者の貴重な体験談まで、幅広く解説してきました。

システムアーキテクト試験は、IPAが実施する情報処理技術者試験の中でも屈指の難関資格です。合格率が例年15%台で推移していることからもわかるように、合格するには広範な知識、深い洞察力、そして高度な論述能力が求められます。付け焼き刃の知識や、単なる暗記では太刀打ちできません。

しかし、その難しさこそが、この資格の価値の源泉でもあります。システムアーキテクト試験に合格するということは、あなたが情報システムの企画・要件定義から設計・開発、そして運用・保守に至るまで、システム開発のライフサイクル全体を見渡し、ビジネス戦略と技術を結びつけ、最適なアーキテクチャを構築・主導できる高度IT人材であることを、国が客観的に証明してくれることを意味します。

目標を定め、計画を立て、今日から一歩を踏み出しましょう!この記事が、あなたの合格への一助となれば幸いです^^

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