【2025年】ITストラテジスト合格者おすすめの参考書・問題集・通信講座8選!独学の勉強方法も紹介

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経営戦略とITをつなぐ高度な知見が問われる人気の国家資格「ITストラテジスト試験(ST)」に独学で合格したい方に向けて、おすすめの書籍(参考書・テキスト/問題集・過去問集)ランキングをご紹介します!また、書籍だけではなく通信講座(動画コース)も厳選して紹介します!

ITストラテジスト試験は、シラバスの改訂ごとに求められる知識やスキルが多様化・高度化しており、限られた時間の中で合格を勝ち取るには“戦略的な学習の進め方”がカギを握ります。そのため、まず重要になるのが「どの参考書・問題集を選ぶか」という点です。

今回は、実際にITストラテジスト試験を独学で受験し、合格を果たした方々へのアンケート調査を実施し、彼らが使用していたおすすめの参考書・問題集を徹底的にリサーチしました。さらに、合格者が費やした勉強時間・学習期間・具体的な学習プロセスについてもヒアリングを行っています。

本サイトならではの一次情報が満載ですので、ぜひ参考にして、あなたの学習に役立ててください!(一部のコンテンツにプロモーションが含まれています)

■調査概要
調査方法:インターネットリサーチ(アンケート調査)
調査時期:2025年
対象人数:11人
対象者:Iストラテジスト試験に合格した人
調査内容:ITストラテジスト試験に合格するために使用した参考書/テキストや問題集とそれらの口コミ/感想、勉強方法や勉強時間/期間など

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ITストラテジスト試験のおすすめ参考書・問題集(迷ったらコレ!)

ITストラテジスト試験の学習を始めるにあたり、まず参考書と問題集を準備する必要があります。しかし、書店やオンラインストアには数多くの選択肢があり、どれを選べば良いか迷ってしまう方も多いでしょう。ここでは、多くの合格者が推薦し、高い評価を得ている定番の参考書・テキスト・問題集を厳選してご紹介します!

情報処理教科書 ITストラテジスト 2024~2025年版

多くの合格者が推薦しているITストラテジスト試験のおすすめ参考書・問題集の1つが「情報処理教科書 ITストラテジスト 2024~2025年版」です。

本書は、情報処理技術者試験の中でも最難関とされるITストラテジスト(ST)試験の午後I・午後II対策に特化した一冊です。著者の豊富な通信添削経験を活かし、記述式問題のマーキング法やキーポイントの抽出方法、論述式問題の論文構成手順など、解答作成のプロセスを具体的かつ詳細に解説しています。過去問演習も充実しており、午後Iは10問を掲載し、さらにWebで24問を提供。午後IIは7問を掲載し、Webで16問を提供しています。また、2024年度からの出題範囲変更にも対応し、組込み分野の過去問題を除外しています。実践的な解法フローと豊富な演習問題で、合格への道をしっかりとサポートします。

▼書籍概要

書籍名情報処理教科書 ITストラテジスト 2024~2025年版
対象者本書は、ITストラテジスト試験の午後I・午後II対策を必要とする社会人を主な対象としています。特に、情報システムの企画・戦略立案に携わる実務経験者や、ITコンサルタント、プロジェクトマネージャーなど、実務での経験を有する方に適しています。学生や初学者よりも、実務経験を積んだ社会人向けの内容となっています。
ひとこと説明午後試験の解答プロセスを詳細に解説し、豊富な演習問題で実践力を養う、ITストラテジスト試験対策の決定版
著者広田 航二
発売日2023/9/22
ページ数560ページ
出版社翔泳社
中身(目次)第1章 午後I対策
第2章 午後I演習
第3章 午後II対策
第4章 午後II演習
第5章 受験の心得
ITストラテジストになるには
読んだ人のクチコミ・午後I・IIの解答手順が明確に示されており、実践的な練習ができる点が良かったです。
・論文の構成方法やキーポイントの抽出方法が具体的で、論述式試験の対策に非常に役立ちました。
・過去問の解説が丁寧で、自己採点の参考になりました。Webでの追加問題も充実しています。
・午後試験の出題傾向や解答のコツが詳しく解説されており、試験対策に最適な一冊です。
・実務経験を活かした解答作成のアプローチが紹介されており、実務者にとって非常に参考になります。

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情報処理教科書 高度試験午前Ⅰ・Ⅱ 2025年版

多くの合格者が推薦しているITストラテジスト試験試験のおすすめ参考書・問題集の2冊目が「情報処理教科書 高度試験午前Ⅰ・Ⅱ 2025年版」です。

本書は、情報処理技術者試験の高度区分の午前I・II試験対策に特化した問題集です。ITストラテジストの午前対策もこれで十分という声が多いです!過去の出題傾向を分析し、再出題の可能性が高い問題を厳選して収録しており、効率的な学習が可能です。各問題には背景知識や関連情報の解説が付されており、単なる暗記にとどまらず、理解を深めることができます。また、読者特典として提供されるWebアプリを活用することで、収録された500問を繰り返し復習でき、知識の定着を図ることができます。さらに、学習のポイントをまとめたコラムも掲載されており、試験対策を多角的にサポートします。忙しい社会人でも効率よく学習を進められる内容となっています。

▼書籍概要

書籍名情報処理教科書 高度試験午前Ⅰ・Ⅱ 2025年版
対象者本書は、情報処理技術者試験の高度区分を受験予定の社会人を主な対象としています。特に、IT業界で実務経験を積んだ方や、応用情報技術者試験に合格し、さらなるステップアップを目指す方に適しています。学生や初学者よりも、実務経験を有する社会人向けの内容となっており、試験範囲の広さと深さに対応した学習が求められる方に最適です。
ひとこと説明再出題の可能性が高い問題を厳選し、解説とWebアプリで効率的に学習できる、高度試験午前対策の決定版
著者松原 敬二
発売日2024/9/25
ページ数664ページ
出版社翔泳社
中身(目次)Chapter 01 基礎理論
Chapter 02 コンピュータシステム
Chapter 03 技術要素
Chapter 04 開発技術
Chapter 05 プロジェクトマネジメント
Chapter 06 サービスマネジメント
Chapter 07 システム戦略
Chapter 08 経営戦略
Chapter 09 企業と法務
読んだ人のクチコミ・再出題の可能性が高い問題が厳選されており、効率的に学習を進めることができました。
・各問題に背景知識の解説があり、理解を深めながら学習できる点が良かったです。
・Webアプリを活用して、通勤時間などのスキマ時間に復習でき、知識の定着に役立ちました。
・学習のポイントをまとめたコラムがあり、試験対策の指針として参考になりました。
・ITストラテジスト試験の午前対策にも活用でき、幅広い試験対策に対応している点が魅力です。

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2025-2026 ITストラテジスト「専門知識+午後問題」の重点対策

多くの合格者が推薦しているITストラテジスト試験試験のおすすめ参考書・問題集の3冊目が「2025-2026 ITストラテジスト「専門知識+午後問題」の重点対策」です。

本書は、情報処理技術者試験の最難関区分であるITストラテジスト試験において、午前Ⅱから午後Ⅱまでの各試験対策を網羅した一冊です。午前Ⅱでは、181問の演習問題と豊富な図解により、出題範囲に沿った知識を体系的に習得できます。午後Ⅰでは、問題の注目ポイントを明示し、解答の導き方を詳細に解説。18問の演習問題を通じて、実践的な解答力を養成します。午後Ⅱでは、12問の論文演習とともに、論文の骨子作成や高得点を狙うための記述テクニックを丁寧に指南。さらに、学習方法や試験当日の注意点をまとめたコラムも収録されており、受験者の不安を軽減します。実務経験を有する社会人が、効率的かつ効果的に合格を目指すための強力な支援書です。

▼書籍概要

書籍名2025-2026 ITストラテジスト「専門知識+午後問題」の重点対策
対象者本書は、ITストラテジスト試験の合格を目指す社会人を主な対象としています。特に、情報システムの企画・戦略立案に携わる実務経験者や、ITコンサルタント、プロジェクトマネージャーなど、実務での経験を有する方に適しています。学生や初学者よりも、実務経験を積んだ社会人向けの内容となっており、試験範囲の広さと深さに対応した学習が求められる方に最適です。
ひとこと説明午後試験の解答プロセスを詳細に解説し、豊富な演習問題で実践力を養う、ITストラテジスト試験対策の決定版。
著者満川 一彦
発売日2024/11/12
ページ数679ページ
出版社アイテック
中身(目次)第1部 ITストラテジスト試験
 第1章 試験の概要
 第2章 問題分析結果・出題傾向
 第3章 効果的な学習
 第4章 直前アドバイス
第2部 専門知識の習得
 第1章 システム戦略
 第2章 システム企画
 第3章 経営戦略マネジメント
 第4章 技術戦略マネジメント
 第5章 ビジネスインダストリ
 第6章 企業活動
 第7章 法務
 第8章 セキュリティ
第3部 午後Ⅰ試験の対策
 第1章 解答テクニック
 第2章 解答作成手順
 第3章 本番を想定した解答
 第4章 解答作成事例
第4部 午後Ⅱ試験の対策
 第1章 論述テクニック
 第2章 論文記述手順
 第3章 本番を想定した論文
 第4章 論文記述事例
読んだ人のクチコミ・午後Ⅰの解答テクニックが具体的で、問題の注目ポイントが明確になり、解答作成がスムーズになりました。
・午後Ⅱの論文対策では、骨子の組み立て方や高得点を狙うための記述テクニックが詳しく解説されており、非常に参考になりました。
・午前Ⅱの181問の演習問題と図解が豊富で、知識の整理と定着に役立ちました。
・学習方法や試験当日の注意点をまとめたコラムがあり、試験に対する不安を軽減できました。
・実務経験を活かした解答作成のアプローチが紹介されており、実務者にとって非常に参考になります。

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ITストラテジスト試験の通信講座・動画コース

ITストラテジスト試験は独学でも合格を目指せますが、「一人ではモチベーションが続かない」「論文対策に不安がある」「忙しくて学習時間を確保するのが難しい」と感じる方も多いのではないでしょうか。

そんな方におすすめしたいのが、オンライン資格講座「スタディング ITストラテジスト講座」です。

スタディングは、「忙しい社会人が、スキマ時間を使って最も効率的に合格できる」ことをコンセプトに開発された学習ツールです。その最大の特徴は、スマートフォンやPC、タブレットがあれば、いつでもどこでも学習できる点にあります。

独学に限界を感じている方、より効率的な学習方法を探している方は、ITストラテジスト試験合格への力強いパートナーとして、「スタディング ITストラテジスト講座」の活用を検討してみてはいかがでしょうか。無料でお試し受講も可能なので、まずは公式サイトでその使いやすさを体感してみることをおすすめします!

公式サイト:スタディング ITストラテジスト講座

ITストラテジスト試験とは?概要を紹介

ITストラテジスト試験は、情報処理推進機構(IPA)が実施する国家試験「情報処理技術者試験」の中でも、最高難易度に位置づけられる「高度情報処理技術者試験」の一つです。単なるITの知識だけでなく、経営戦略とITを結びつけ、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を主導する能力が問われる、非常に専門性の高い試験として知られています。

IPA 試験区分一覧より

ITストラテジスト試験に合格することは、ITに関する高度な知識はもちろん、経営戦略、事業戦略、マーケティング、会計、法務といった幅広いビジネス知識、さらには論理的思考力、課題発見・解決能力、コミュニケーション能力、リーダーシップといった多岐にわたる能力を有していることの証明となります。そのため、ITコンサルタント、CIO(最高情報責任者)、CDO(最高デジタル責任者)、あるいは事業会社の経営企画部門やDX推進部門などで活躍を目指す方々にとって、この資格はキャリアアップのための強力な武器になります^^

関連記事:ITコンサルのおすすめ本・書籍ランキング〜定番、入門書など〜

このセクションでは、ITストラテジスト試験の具体的な内容、合格するための基準や難易度、そして合格までに必要とされる勉強時間の目安について、詳しく掘り下げていきます。ITストラテジストを目指す第一歩として、まずは試験の全体像を正確に把握しましょう!

試験概要

資格名ITストラテジスト試験
概要ITストラテジスト試験は、経済産業省が認定する国家資格「情報処理技術者試験」の中でも、最高レベルのスキルレベル4に位置づけられる「高度情報処理技術者試験」の一つです。

この試験は、単なるIT知識だけでなく、企業の経営戦略を深く理解し、それを基にITを活用して事業を改革、高度化、最適化するための基本的な戦略を策定し、提案・推進できる能力を認定することを目的としています。
対象者像IPAが想定するITストラテジスト試験の対象者は、「高度IT人材として確立した専門分野をもち、企業の経営戦略に基づいて、ビジネスモデルや企業活動における特定のプロセスについて、情報技術を活用して事業を改革・高度化・最適化するための基本戦略を策定・提案・推進する者」とされています。

経営とITの両面に精通し、ビジネスの変革をリードできる人材が求められています。
業務と役割ITストラテジストに期待される主な業務と役割は以下の通りです。

・経営戦略とITの連携
経営戦略を理解し、それを実現するためのIT戦略や情報システム戦略を策定します。

・事業改革の主導
ビジネスモデルの変革、業務プロセスの最適化、新製品・サービスの開発などを、IT活用の観点から企画し、推進します。

・システム化構想・計画の策定
IT戦略に基づき、具体的なシステム化の構想や計画を立案し、その実行管理や導入後の評価までを担当します。

・経営層への提言
CIO(最高情報責任者)、CDO(最高デジタル責任者)、ITコンサルタントといった立場で、経営層に対してIT戦略に関する専門的な助言や提案を行います。
期待する水準この試験では、企業の経営課題を的確に把握し、ITを駆使した解決策や新たなビジネス価値を創出するための戦略を論理的に構築し、経営層を説得して実行に移せるリーダーレベルの能力が期待されています。
出題範囲・シラバス試験は午前I、午前II、午後I、午後IIの4区分で構成され、それぞれの出題範囲は以下のようになっています。

午前I: テクノロジ、マネジメント、ストラテジの各分野から、情報技術全般に関する基礎知識が問われます(他の高度試験と共通)

午前II: ストラテジ系(経営戦略、システム戦略、システム企画、ビジネスインダストリ、企業活動、法務など)とセキュリティ分野に重点を置いた専門知識が問われます。

午後I: ITストラテジストの業務に関連する事例(ケーススタディ)が提示され、それを分析し、設問に対して記述式で解答します。

午後II: 与えられたテーマについて、自身の経験や知見に基づき、IT戦略に関する論文を論述式で作成します。
合格率15%前後(例: 令和5年度秋期 15.6%、令和4年度秋期 15.1%、令和3年度秋期 15.3%)
試験時間・出題形式・出題数午前I: 試験時間は50分、出題形式は多肢選択式(四肢択一)、出題数は30問

午前II: 試験時間は40分、出題形式は多肢選択式(四肢択一)、出題数は25問

午後I: 試験時間は90分、出題形式は記述式、出題数は3問の中から2問を選択して解答します。

午後II: 試験時間は120分、出題形式は論述式、出題数は2問の中から1問を選択して解答します。
合格基準ITストラテジスト試験に合格するためには、以下の全ての試験区分で基準を満たす必要があります。

午前I試験: 100点満点中、60点以上

午前II試験: 100点満点中、60点以上

午後I試験: 100点満点中、60点以上

午後II試験: 評価ランクが 「A」 であること
受験料7,500円(税込)
公式サイトhttps://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/st.html

合格基準

ITストラテジスト試験の合格基準は、午前I、午前II、午後I、午後IIのすべての試験区分で合格ライン以上の得点を獲得することです。

これはつまり、どれか一つの試験区分でも基準点に達しない場合、他の試験でどれだけ高得点を取っても不合格となることを意味します。特に、午前Iから午後IIまで、長丁場の試験を集中力を切らさずに乗り切り、それぞれの試験で安定したパフォーマンスを発揮する必要があります。

試験区分合格基準
午前Ⅰ30問中18問(60%)以上の正解が必要です。

免除制度の活用も検討しましょう。
午前Ⅱ25問中15問(60%)以上の正解が必要です。

専門分野の深い理解が求められます。
午後Ⅰ素点(満点)の60%以上が必要です。記述式のため、明確な採点基準は公開されていませんが、設問の意図を正確に汲み取り、論理的に記述することが重要です。
午後ⅡA~Dの4段階で評価され、A評価のみが合格となります。

最も合格へのハードルが高い区分であり、ここで多くの受験者が涙をのむことになります。

A評価を得るためには、テーマに対する深い洞察、具体的な提案、論理的な構成、そして説得力のある表現力が不可欠です。

合格率

ITストラテジスト試験は、高度情報処理技術者試験の中でも特に合格率が低いことで知られています。近年の推移を見ると、おおむね15%前後の合格率で推移しています。

年度(実施回)応募者数受験者数合格者数合格率
令和5年度 秋期9,076人6,560人1,023人15.60%
令和4年度 秋期8,873人6,436人973人15.10%
令和3年度 秋期8,300人5,986人913人15.30%
令和2年度 秋期6,750人4,699人716人15.20%

この15%という数字は、受験者の多くが他の高度試験合格者や、実務経験豊富なITエンジニア、コンサルタントであることを考えると、いかに難易度が高い試験であるかを示しています。特に、午後IIの論述試験が大きな壁となっていることが推察されます。

勉強時間の目安

ITストラテジスト試験の合格に必要な勉強時間は、受験者のこれまでの経験や知識レベルによって大きく異なりますが、一般的には200時間から600時間程度が一つの目安とされています。しかし、これはあくまで平均的な数値であり、人によってはそれ以上、あるいはそれ以下の時間で合格するケースもあります。

前提知識レベル勉強時間
初学者・実務経験が少ない方ITや経営に関する基礎知識から学ぶ必要があるため、多くの時間が必要になります。

場合によっては600時間以上の学習が必要になることも考えられます。

まずは、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験の内容を復習したり、経営戦略に関する入門書を読んだりすることから始めると良いでしょう。
応用情報技術者試験合格者基礎的なIT知識はある程度身についているため、ストラテジ系や午後試験対策に集中できます。

200時間~400時間程度が目安となります。
他の高度情報処理技術者試験合格者共通する範囲も多く、論文試験の経験もあるため、比較的短時間での合格も可能です。ただし、ITストラテジスト特有の「経営視点」を強く意識した対策は必須です。

150時間~300時間程度が目安となります。
ITコンサルタントや経営企画などの実務経験者実務経験は大きなアドバンテージになります。特に午後試験では、自身の経験を活かした説得力のある記述・論述が可能です。ただし、試験特有の形式や問われ方に慣れるための対策は必要です。

100時間~250時間程度が目安となるでしょう。

学習期間の目安: 1日に確保できる勉強時間にもよりますが、多くの受験者は半年から1年程度の期間をかけて準備をしています。

  • 例1:1日1時間(平日)+5時間(休日) = 週15時間 → 約3ヶ月半(210時間)
  • 例2:1日2時間(平日)+6時間(休日) = 週16時間 → 約3ヶ月(192時間) ※これはかなり集中的なペース
  • 例3:1日1時間程度 = 週7時間 → 約7ヶ月(200時間)~ 約1年半(600時間)

重要なのは、総学習時間だけでなく、学習の質と継続性です。特に午後IIの論述対策は、一朝一夕には身につきません。早い段階からテーマについて考え、実際に論文を書く練習を繰り返し行うことが合格への鍵となります。

ITストラテジスト試験の参考書・問題集の選び方のポイント

ITストラテジスト試験という難関を突破するためには、質の高いインプットと効果的なアウトプットが欠かせません。その両輪を支えるのが、参考書と問題集です。しかし、書店やオンラインストアには数多くの教材が溢れており、「どれを選べば良いのか分からない」と悩む受験者も少なくありません。

このセクションでは、数ある教材の中から自分に最適な一冊(あるいは数冊)を見つけ出すための具体的なポイントを解説します!

よくある選び方・ポイント

多くの受験者が参考書・問題集を選ぶ際に重視する、基本的ながらも非常に重要なポイントがいくつかあります。ITストラテジスト試験の教材は、決して安価なものではありません。また、限られた学習時間の中で最大限の効果を出すためには、最初の一歩である教材選びでつまずくわけにはいきません。ここでは、多くの合格者が実践してきた、教材選びにおける普遍的な基準について掘り下げていきます!

出題範囲を網羅しているか(最新のシラバスに対応してるか)

ITストラテジスト試験の教材を選ぶ上で、最も基本的かつ重要なチェックポイントは、試験の出題範囲を過不足なくカバーしているか、そして最新のシラバス(試験要綱・情報処理技術者試験における知識・技能の細目)に対応しているかという点です。

情報処理技術者試験のシラバスは、技術の進歩やビジネス環境の変化を反映して、定期的に改訂されます。古いシラバスに基づいた教材では、現在では重要度が低くなった技術や、逆に出題可能性が高まっている新しいトピック(例えば、DX、AI、IoT、データサイエンス、アジャイル開発、各種法改正など)が十分にカバーされていない可能性があります。

解説が分かりやすいか(図解などが豊富か)

ITストラテジスト試験で扱う内容は、経営戦略や最新IT技術など、抽象的で複雑な概念が多く含まれます。そのため、参考書を選ぶ際には、解説がどれだけ分かりやすく、理解を助ける工夫がされているかが非常に重要なポイントとなります。

文字ばかりが羅列された難解な参考書では、内容を理解するのに時間がかかるだけでなく、学習意欲そのものが削がれてしまう可能性があります。特に初学者や、特定の分野に苦手意識がある方にとっては、解説の分かりやすさは教材選びの最優先事項と言えるでしょう。

過去問題や練習問題が充実しているか

ITストラテジスト試験に合格するためには、知識をインプットするだけでなく、実際に問題を解くアウトプットの練習が不可欠です。特に、本番の試験形式に慣れ、時間配分や解答のコツを掴むためには、過去問題や練習問題に数多く取り組むことが最も効果的な方法の一つです。

そのため、参考書や問題集を選ぶ際には、収録されている過去問題や練習問題の質と量をしっかりと確認する必要があります。問題の充実度は、合格に直結する重要な要素であることを認識し、慎重に選びましょう!

自分の勉強タイプや用途から選ぶ

ITストラテジスト試験の参考書・問題集を選ぶ際には、最新シラバスへの対応や解説の分かりやすさといった基本的なポイントを押さえることが重要です。しかし、それと同時に「自分自身の現在のレベルや、どのような学習スタイルを好むか、そして教材をどのように活用したいか」という視点を持つことも、最適な一冊を見つけるためには欠かせません。

基礎からじっくり勉強したい人:参考書やテキストタイプの本を選ぶ

対象者:

  • ITストラテジスト試験に初めて挑戦する方
  • 応用情報技術者試験などの下位資格を取得していない方
  • IT関連の実務経験が少ない、または経営戦略に関する知識に自信がない方
  • 断片的な知識ではなく、体系的にIT戦略や関連知識を理解したい方

選び方とポイント:

ITストラテジスト試験は、非常に広範な知識が求められます。特に、経営戦略、システム戦略、マーケティング、会計、法務といったストラテジ系の知識は、多くの方にとって馴染みが薄いかもしれません。このような方が、いきなり問題演習から入るのは得策ではありません。まずは、試験範囲全体を網羅し、各トピックを丁寧に解説してくれる「参考書」や「テキスト」タイプの教材を選び、基礎知識をしっかりと固めることが重要です!

基礎はあり実践練習をしたい人:問題集タイプの本を選ぶ

対象者:

  • 応用情報技術者試験や他の高度試験に合格している方
  • IT関連の実務経験(特に上流工程)が豊富で、基礎知識には自信がある方
  • 参考書によるインプットは一通り終え、アウトプットを通じて実力を高めたい方
  • 自分の弱点を発見し、集中的に補強したい方

選び方とポイント:

ITストラテジスト試験では、知識があるだけでは合格できません。その知識を使って、制限時間内に問題を解き、特に午後試験では論理的な文章を記述・論述する「実践力」が問われます。基礎知識が既にある程度身についている方は、豊富な問題を収録した「問題集」タイプの教材を選び、アウトプットの練習に重点を置くのが効果的です。

なるべく参考書は少なく済ませたい人:テキスト&問題集がセットの本を選ぶ

対象者:

  • 学習にあまり多くの時間を割けない方
  • 複数の教材を管理するのが苦手な方
  • できるだけ費用を抑えて学習したい方
  • インプットとアウトプットを効率よく並行して進めたい方

選び方とポイント:

忙しい現代人にとって、複数の分厚い参考書や問題集をこなすのは簡単なことではありません。また、どの教材をどの順番で使えば良いのか迷ってしまうこともあります。そんな方におすすめなのが、基礎知識の解説(テキスト)と、実践的な演習問題(問題集)が一冊にまとめられた「テキスト&問題集」タイプの教材です。

過去問をひたすら解きたい人:過去問を選ぶ

対象者:

  • 試験の傾向を掴み、頻出分野を把握したい方
  • 試験本番の時間配分や解答ペースを身につけたい方
  • 学習の総仕上げとして、実践的な演習を積みたい方
  • 自分の実力を測り、弱点を明確にしたい方

選び方とポイント:

ITストラテジスト試験に限らず、資格試験対策の王道は「過去問題演習」です。過去問を解くことで、試験の形式、問題のレベル、問われる知識の範囲、そして時間配分などを具体的に把握することができます。特にITストラテジスト試験のように、出題範囲が広く、かつ実践的な思考力が求められる試験では、過去問演習の重要性は非常に高いと言えます。

ITストラテジスト試験のおすすめ参考書・問題集

参考書や問題集・テキストの選び方もわかったので、早速、アンケート調査で独学合格した人に聞いたITストラテジストのおすすめ参考書&問題集を紹介します!ここでは合格者が試験対策本として愛用していたというクチコミの多かった本の中でも愛用されていた定番の本を紹介します。

記事冒頭でお伝えした絶対おすすめ3冊をやったあとや、もう一冊やっておきたいなというときにおすすめです!

ITストラテジスト 合格論文の書き方・事例集 第6版 合格論文シリーズ

多くの合格者が推薦しているITストラテジスト試験のおすすめ参考書・問題集の1つが「ITストラテジスト 合格論文の書き方・事例集 第6版 合格論文シリーズ」です。

本書は、ITストラテジスト試験の午後Ⅱ論述対策に特化した一冊で、合格論文の作成方法と実例を豊富に収録しています。第1部では、論文の構成方法や時間内に書き上げるためのテクニックを丁寧に解説し、巻末のワークシートを活用して実践的な練習が可能です。第2部には、事業戦略の策定や情報システム戦略の実行管理など、専門家による37本の論文事例を掲載。これらの事例を通じて、合格に必要な論述力を養成できます。また、午後Ⅰ問題を活用した論文設計の方法も紹介されており、午後試験全体の対策として有効です。試験制度の変更にも対応しており、最新の出題傾向に沿った内容となっています。

本書は「論文の書き方を学びたい人のおすすめ本・書籍ランキング」でも紹介しています^^

▼書籍概要

書籍名ITストラテジスト 合格論文の書き方・事例集 第6版 合格論文シリーズ
ひとこと説明午後Ⅱ試験の論述対策に特化し、37本の実例と実践的な演習で合格力を養成する一冊。
著者岡山昌二、阿部政夫、庄司敏浩、鈴木久、高橋裕司、満川一彦
発売日2022/9/16
ページ数409ページ
出版社アイテック
中身(目次)第1部 合格論文の書き方
第1章 本書を手にしたら読んでみる
第2章 論述式試験を突破する
第3章 基礎編
第4章 論文を作成する際の約束ごとを確認する
第5章 論文を設計して書く演習をする
第6章 添削を受けて書き直してみる
第7章 午後Ⅰ問題を使って論文を書いてみる
第8章 本試験に備える
第9章 受験者の問題を解消する

第2部 論文事例
第1章 事業戦略の策定または支援……専門家による2論文を掲載
第2章 情報システム戦略と全体システム化計画の策定……専門家による7論文を掲載
第3章 個別システム化構想・計画の策定……専門家による6論文を掲載
第4章 情報システム戦略の実行管理と評価……専門家による2論文を掲載
第5章 情報化リーダとしてのデジタルトランスフォーメーションや業務改革の推進……専門家による13論文を掲載
第6章 組込みシステム・IoTを利用したシステム……専門家による7論文を掲載
読んだ人のクチコミ・論文の構成方法が具体的に解説されており、初めての論述試験でも安心して取り組めました。
・37本の実例が掲載されており、自分の業務に近いテーマを参考にできて非常に役立ちました。
・午後Ⅰ問題を活用した論文設計の方法が紹介されており、午後試験全体の対策として有効でした。
・試験制度の変更にも対応しており、最新の出題傾向に沿った内容で安心して学習できました。

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2025年度版 ALL IN ONE パーフェクトマスター ITストラテジスト 情報処理技術者試験

多くの合格者が推薦しているITストラテジスト試験のおすすめ参考書・問題集の1つが「2025年度版 ALL IN ONE パーフェクトマスター ITストラテジスト 情報処理技術者試験」です。

本書は、ITストラテジスト試験の「午前Ⅱ」「午後Ⅰ」「午後Ⅱ」の3つの専門試験対策を一冊に凝縮した総合対策書です。午前Ⅱでは、出題頻度の高いキーワードやキーフレーズを効率的に習得できるよう解説し、再出題の可能性が高い過去問を厳選して収録しています。午後Ⅰでは、長文問題の読み取り方や「三段跳び法」と呼ばれる汎用的な解法テクニックを解説し、頻出の分野・テーマ・観点・事例パターンを分析・厳選した過去問演習を提供しています。午後Ⅱでは、合格答案を作成するための論述テクニックとして、「ステップ法」「自由展開法」「“そこで私は”展開法」「“最初に次に”展開法」などを解説し、頻出の分野・テーマ・設問要求パターンを分析・厳選した過去問演習を通じて、実践的な論述力を養成します。さらに、2025年度版からは、書籍に掲載された午後Ⅰ・Ⅱ問題演習の解答用紙をサイバーブックストア上でダウンロードできるサービスも開始され、学習の利便性が向上しています。

▼書籍概要

書籍名2025年度版 ALL IN ONE パーフェクトマスター ITストラテジスト 情報処理技術者試験
ひとこと説明午前Ⅱから午後Ⅱまでの試験対策を網羅し、効率的な学習をサポートするITストラテジスト試験対策の決定版。
著者TAC情報処理講座
発売日2024/8/24
ページ数568ページ
出版社TAC出版
中身(目次)第0部 試験の分析と突破法―本書の特徴
第1部 ITストラテジストの知識/午前2試験対策
第2部 午後1試験対策
第3部 午後2試験対策
読んだ人のクチコミ・午後Ⅰの「三段跳び法」が具体的で、長文問題の解答作成がスムーズになりました。
・午後Ⅱの論述テクニックが豊富で、論文作成の構成力が向上しました。
・過去問演習が充実しており、出題傾向の把握と実践力の強化に役立ちました。
・解答用紙のダウンロードサービスが便利で、実際の試験形式に慣れることができました。
・一冊で午前Ⅱから午後Ⅱまで対応しており、効率的な学習が可能でした。

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2025-2026 ITストラテジスト 総仕上げ問題集

多くの合格者が推薦しているITストラテジスト試験のおすすめ参考書・問題集の1つが「2025-2026 ITストラテジスト 総仕上げ問題集」です。

本書は、ITストラテジスト試験の合格を目指す社会人向けに、効率的な学習を支援する総仕上げ問題集です。「分野別Web確認テスト」で知識の習得度を確認し、直近10期分の本試験過去問題を詳細に解説することで、出題傾向と解法を徹底的に理解できます。さらに、本試験を想定したオリジナルの実力診断テストに挑戦することで、実践力を養成します。各問題には、正解だけでなく誤答選択肢についても詳細な解説が付されており、理解を深めることができます。また、解答用紙のダウンロードサービスを活用することで、試験本番に近い形式での演習が可能です。試験制度の解説や出題分析も収録されており、試験対策の総仕上げに最適な一冊です。

▼書籍概要

書籍名2025-2026 ITストラテジスト 総仕上げ問題集
ひとこと説明3ステップ学習と直近10期分の過去問解説で、ITストラテジスト試験の合格力を総仕上げする問題集
著者アイテックIT人材教育研究部
発売日2024/9/18
ページ数512ページ
出版社アイテック
中身(目次)試験制度解説編
第1部 分野別Web確認テスト
第2部 本試験問題
・令和4年度春期試験 問題と解答・解説編
・令和5年度春期試験 問題と解答・解説編
・令和6年度春期試験 問題と解答・解説編

<出題分析>
(1) 午前問題出題分析
(2) 午前の出題範囲
(3) 午後Ⅰ問題 予想配点表
第3部 実力診断テスト
読んだ人のクチコミ・分野別Web確認テストで苦手分野を把握でき、効率的な学習ができました。
・直近10期分の過去問解説が詳細で、出題傾向の理解に役立ちました。
・実力診断テストで本番さながらの演習ができ、自信がつきました。
・誤答選択肢の解説があり、理解を深めるのに非常に役立ちました。
・解答用紙のダウンロードサービスで、実際の試験形式に慣れることができました。

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ITストラテジスト 午後2 最速の論文対策 第5版 [スキマ時間に”これだけ” 直前期でも間に合う]

多くの合格者が推薦しているITストラテジスト試験のおすすめ参考書・問題集の1つが「ITストラテジスト 午後2 最速の論文対策 第5版 [スキマ時間に”これだけ” 直前期でも間に合う]」です。

本書は、ITストラテジスト試験の午後Ⅱ論述対策に特化し、限られた時間で効率的に合格を目指す社会人のために設計されています。論文作成の基本構造を「章・節・項」単位でモジュール化し、どのような出題にも対応可能な汎用的なフレーズや構成パターンを提供しています。実務経験が浅い分野でも、提示されたテンプレートを活用することで、論理的かつ説得力のある論文を短時間で構築できます。さらに、令和4年度の本試験全3題に対するオリジナル模範解答例も収録されており、実践的な演習を通じて、試験本番への自信を養うことができます。直前期の学習やスキマ時間の活用に最適な一冊です。

▼書籍概要

書籍名ITストラテジスト 午後2 最速の論文対策 第5版 [スキマ時間に”これだけ” 直前期でも間に合う]
ひとこと説明午後Ⅱ論述試験に対応した汎用的な構成法と模範解答で、短時間でも合格レベルの論文作成力を養成する一冊
著者広田 航二
発売日2022/10/29
ページ数208ページ
出版社TAC出版
中身(目次)午後Ⅱ論文試験 合格のメソッド
これが合格のメソッドを使った,論文の作成例だ!
第6版刊行にあたって/はじめに
本書の活用方法

第1章 午後IIの特徴
みんなが“難しい”と思うワケ

第2章 設計書は論文作成の基本!
章・節・項タイトルで,論文設計書の骨格を作ろう

第3章 論述のための準備
論文の内容を“モジュール”にしよう

第4章 設計書を完成させよう!
問題文とモジュールで論述内容を組み込め

第5章 本番シミュレーション!
実際に論文を書いてみよう

第6章 本番直前!
マル秘演習ツールで実力をつけよう

第7章 いざ本番!
試験でやるべきこと
読んだ人のクチコミ・論文の構成をモジュール化する方法が具体的で、どのような出題にも柔軟に対応できる自信がつきました。
・スキマ時間を活用して学習できる内容で、忙しい中でも効率的に論述力を高めることができました。
・実務経験が浅い分野でも、提示されたテンプレートを使って論文を構築できる点が非常に助かりました。
・令和4年度の本試験全3題に対する模範解答例が収録されており、実践的な演習に役立ちました。
・論文作成の基本構造を「章・節・項」単位で学べるため、論理的な文章構成力が向上しました。

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ITストラテジスト試験の独学合格者の体験記・勉強方法

ITストラテジスト試験は難関ですが、独学で合格を勝ち取る人も少なくありません。ここでは、実際に独学でITストラテジスト試験に合格された方々の貴重な体験談を5名分ご紹介します。

年齢、職業、受験のきっかけ、そして具体的な勉強方法や期間は人それぞれです。これから受験を考えている方、現在学習中の方は、これらの体験記から自分に合った学習のヒントやモチベーションを見つけてください。異なるバックグラウンドを持つ合格者たちの声は、独学という決して平坦ではない道を歩む上での、力強い道しるべとなるはずです。

▼合格者①:Aさん:35歳・SIer(プロジェクトマネージャー)の事例

受験のきっかけプロジェクトの上流工程、特に顧客の経営課題に踏み込んだ提案を行う機会が増え、体系的な知識と経営視点を身につけたいと考えたのがきっかけです。応用情報技術者試験は取得済みでしたが、さらに専門性を高め、キャリアアップに繋げたいと思いました。
勉強期間・時間約8ヶ月、総勉強時間は350時間ほどでした。平日は通勤時間と夜に1~2時間、休日は3~4時間を目標に学習しました。
勉強方法基礎固め: まずは応用情報レベルの知識を復習しつつ、ITストラテジスト向けのテキストを1冊通読しました。特にストラテジ系の用語やフレームワークの理解に時間をかけました。

午前対策: 午前II対策として、過去問道場(Webサイト)を繰り返し利用しました。間違えた問題はテキストに戻って理解を深めるサイクルを徹底しました。

午後対策: 午後Iは、過去問を5年分以上解き、解答プロセスを重視しました。なぜその答えになるのかを自分の言葉で説明できるようにしました。午後IIは、最も苦労しました。参考書の論文例を参考に、自分なりの「型」を作り、最低でも週に1本は論文を書く練習をしました。信頼できる先輩に添削をお願いし、客観的なフィードバックをもらうことも有効でした。時事ネタやDX事例を日頃からインプットすることも意識しました。

▼合格者②:Bさん:45歳・事業会社IT部門(課長)の事例

受験のきっかけ会社がDXを推進する中で、経営層と現場の橋渡し役として、より戦略的なIT投資判断やシステム企画を行う必要性を感じたためです。自身のスキルを客観的に証明し、リーダーシップを発揮したいと考えました。
勉強期間・時間約1年、総勉強時間は400時間程度です。管理職のため平日の時間は限られていましたが、早朝や週末に集中して学習時間を確保しました。
勉強方法実務との連携: 幸い、実務経験が豊富だったため、午後試験の題材には困りませんでした。しかし、それを試験で求められる「論理的な論文」に落とし込む訓練が必要でした。

インプット: テキストは、図解が多く、経営戦略の解説が手厚いものを選びました。また、経営やDXに関する書籍やセミナーにも積極的に参加し、視野を広げました。

アウトプット(特に午後II): 過去問のテーマを分析し、自分の経験に引きつけて複数の論文骨子を作成しました。実際に書く練習はもちろん、声に出して説明する練習も行いました。これにより、論理の矛盾点や説明不足な部分に気づきやすくなりました。午前対策は、知識のアップデートを中心に、隙間時間を活用してアプリで学習しました。

▼合格者③:Cさん:28歳・ITコンサルティングファーム勤務の事例

受験のきっかけコンサルタントとして、クライアントに対してより付加価値の高い提案を行うために、経営とITを結びつける最高峰の資格に挑戦したいと考えました。若いうちに取得することで、今後のキャリアの選択肢を広げたいという思いもありました。
勉強期間・時間約6ヶ月、総勉強時間は500時間以上。仕事が忙しい時期もありましたが、短期集中型で取り組みました。
勉強方法効率重視: 限られた時間で合格するため、テキスト&問題集が一体になった教材をメインに使用し、インプットとアウトプットを並行して進めました。

午後II特化: 周囲の合格者から午後IIの重要性を聞いていたため、早い段階から論文対策に着手しました。様々な業種・テーマの論文を書き、思考の引き出しを増やしました。特に意識したのは、「誰に(経営者)」「何を(課題と解決策)」「どのように(ITを活用して)」「なぜ(費用対効果、競争優位性)」を明確に記述することです。

過去問徹底: 午前・午後ともに過去問を徹底的に分析しました。特に午後Iは、問題文の読み方、設問の意図の汲み取り方に重点を置き、時間内に解答をまとめる練習を繰り返しました。Web上のコミュニティで他の受験者と情報交換したことも刺激になりました。

▼合格者④:Dさん:52歳・中小企業経営者の事例

受験のきっかけ自社の事業継承を見据え、ITを活用した新たなビジネスモデル構築や業務改革が急務だと感じていました。外部コンサルタントに頼るだけでなく、自らIT戦略を理解し、判断できる知識を身につけるため、体系的に学べるITストラテジスト試験に挑戦しました。
勉強期間・時間約1年半、時間は細切れでしたが、トータルでは600時間近く費やしたと思います。
勉強方法基礎からの学習: ITに関する専門知識はほとんどなかったため、基本情報技術者試験レベルの参考書から読み始めました。その後、ITストラテジストのテキストに進みましたが、専門用語の理解に苦労しました。

具体例での理解: 抽象的な概念は、自社の状況に置き換えて考えることで理解を深めました。「もし自社でこれを導入するなら?」と常にシミュレーションしました。

論文対策: 論文は最もハードルが高かったです。最初は書くこと自体が困難でしたが、まずは参考書の論文を書き写すことから始めました。徐々に構成を理解し、自社の課題をテーマに論文を書く練習を重ねました。IPAの公開情報や中小企業向けのIT導入事例集なども参考にしました。合格まで時間はかかりましたが、学習を通じて自社の経営課題を深く見つめ直す良い機会になりました。

▼合格者⑤:Eさん:32歳・メーカー勤務(商品企画)の事例

受験のきっかけ商品開発において、IoTやAIといったIT技術の活用が不可欠になってきました。IT部門との連携をスムーズにし、より実現性の高い企画を立案するために、ITの知識、特に戦略レベルでの理解を深めたいと考えました。
勉強期間・時間約10ヶ月、総勉強時間は300時間ほど。ITバックグラウンドは強くありませんでしたが、企画業務で培った論理的思考力は役立ちました。
勉強方法午前対策の重視: IT知識に不安があったため、午前I・午前II対策に重点を置きました。図解の多い参考書を選び、ITパスポートレベルから復習し直しました。過去問は最低5回は繰り返しました。

午後Iのパターン学習: 午後Iは、問題文の構造や設問のパターンを分析し、解答の型をある程度身につけることを目指しました。キーワードを拾い、それらを論理的に繋げる練習をしました。

午後IIのストーリー構築: 論文は、商品企画の経験を活かし、「あるべき姿」から逆算してストーリーを構築するアプローチを取りました。技術的な詳細よりも、「なぜそのIT戦略が必要なのか」「それによってどのようなビジネス価値が生まれるのか」という点を強調するように心がけました。様々な業種の論文例を読み、表現方法を参考にしました。

これらの体験記から分かるように、ITストラテジスト試験の独学合格への道は一つではありません。自身の強みや弱み、生活スタイルに合わせて、最適な学習計画と方法を見つけ出すことが成功の鍵となります!

さいごに

この記事では、ITストラテジスト試験合格を目指す方々に向けて、試験の概要から参考書・問題集の選び方、そして独学合格者の貴重な体験談まで、幅広く解説してきました。

ITストラテジスト試験は、情報処理技術者試験の中でも最難関の一つであり、合格率は常に15%前後という狭き門です。合格するためには、ITに関する深い知識はもちろんのこと、経営戦略、マーケティング、会計、法務といった幅広いビジネス知識、そして何よりも経営者の視点に立ってIT戦略を立案・推進する高度な思考力と論述力が求められます。その道のりは決して平坦ではなく、多くの学習時間と粘り強い努力が必要です。

この記事が、ITストラテジストという高い頂を目指すあなたの、確かな一助となることを心から願っています!

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